化学反応における酸化還元反応は、金属や酸化物の変化を理解するために非常に重要です。特に、希硝酸と銅の反応については、酸化数の変化を追いながら反応式を正しく書き上げることが求められます。本記事では、希硝酸と銅の反応式を分かりやすく解説し、質問者が抱いた疑問点についても詳しく説明していきます。
希硝酸の酸化作用と反応式
希硝酸(HNO3)は酸化剤として働き、銅などの金属を酸化します。まず、酸化還元反応において酸化数の変化を理解することが必要です。問題文にある通り、硝酸の窒素原子の酸化数は+5から+2に変化します。この酸化数の変化をもとに、酸化反応式を導くことができます。
酸化反応式は以下のように表されます。
HNO3 + 3e- + 3H+ → NO + 2H2O
この式は、酸化数の変化を示し、電子を放出してNOに変化する様子を表しています。
銅の酸化反応式
次に、銅(Cu)の酸化反応を考えます。銅は電子を放出して酸化され、Cu+2イオンに変わります。反応式は次のように表されます。
Cu → Cu2+ + 2e-
この反応式では、銅が2価の銅イオンに変化し、その際に2個の電子を放出することが示されています。
酸化還元反応の合成と電子の消去
次に、酸化還元反応の式を合成して、電子を消去する方法を見ていきます。酸化数の変化を表す反応式(①式)と銅の酸化反応式(②式)を組み合わせて、電子を消去するために以下の操作を行います。
まず、①式を2倍、②式を3倍にすることで、両方の反応式の電子の数が一致します。
2 × (HNO3 + 3e- + 3H+ → NO + 2H2O)
3 × (Cu → Cu2+ + 2e-)
これにより、反応式が次のように整理されます。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
反応式の整理とNO3-の追加
反応式の整理において、右辺にNO3-が必要となります。具体的には、反応式の両辺に6NO3-を加えることで、式をさらにバランスよく整理できます。
この操作を行うと、最終的に次のような化学反応式が完成します。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
ここでは、銅が硝酸と反応し、銅(Ⅱ)硝酸塩、二酸化窒素、そして水が生成されることがわかります。この式は化学反応の詳細を反映し、酸化還元の過程を正確に示しています。
まとめ
希硝酸と銅の反応式の理解には、酸化数の変化を追い、酸化反応と還元反応を正しく組み合わせることが重要です。質問者が抱いた疑問点についても、反応式の整理とNO3-の追加で解決できることがわかりました。このような酸化還元反応をしっかり理解することで、化学反応の原理を深く学ぶことができます。


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