力学問題の角速度計算におけるエネルギー保存則の誤りと正しい解法

物理学

「力学への道」の第13章、演習問題4における計算で、角速度ωの求め方に関して間違いがあるとのことですが、どのように修正すれば良いのでしょうか?この記事では、エネルギー保存則を用いた角速度の計算におけるよくある誤りを解説し、正しい方法を示します。

問題の背景とエネルギー保存則の概要

問題設定として、一様な棒が固定端から回転し、鉛直面内で動くシステムについて考えます。最初は水平位置から静かに放され、エネルギー保存則を使って角速度ωを求める問題です。エネルギー保存則は、力学的エネルギーが時間を通じて一定であるという原則です。

エネルギー保存則を適用するには、まず運動エネルギーと位置エネルギーの変化を考える必要があります。静止状態から始めるため、運動エネルギーは最初はゼロですが、位置エネルギーが最大となり、放物線的な動きで変化していきます。

エネルギー保存則を適用した計算方法

エネルギー保存則に従って、最初の位置エネルギーと最終的な運動エネルギーが等しいことを設定します。以下の式を考えます。

最初の位置エネルギー: Mgℓsinθ (ℓは棒の長さ、θは角度)

最終的な運動エネルギー: 1/2 M(ℓω)² + 1/2 Iω² (Iは慣性モーメント)

これらのエネルギーが等しいことから、角速度ωを求める式が導かれます。しかし、間違っている部分は、慣性モーメントIの代入と、運動エネルギーの項に関する取り扱いにあります。

間違いの原因と修正方法

最初に示された計算式で間違っている点は、慣性モーメントIを正しく扱わなかったことにあります。棒の慣性モーメントはI = 1/3 Mℓ²ではなく、I = 4/3 Mℓ²です。この間違いにより、計算が誤った結果を導いています。

修正後の計算式は以下のようになります。

Mgℓsinθ = 1/2 M(ℓω)² + 1/2 Iω²

この式において、I = 4/3 Mℓ²を代入して計算を進めると、正しい角速度ωが得られます。

正しい角速度の計算結果

正しい角速度ωは、以下のように求められます。

ω = √{6gsinθ / (7ℓ)}

この結果により、間違っていた部分は慣性モーメントの値に起因していたことが分かります。

まとめ: 力学問題の解法とエネルギー保存則の重要性

「固定軸の周りの回転運動」の問題での間違いは、慣性モーメントの取り扱いと運動エネルギーの項に関する誤解に起因していました。エネルギー保存則を正しく適用することで、角速度ωを求める方法が明確になります。このように、力学的エネルギー保存則を正しく理解し、式に適切に代入することが、問題を解くための鍵となります。

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