2入力NAND CMOS回路の遅延時間であるt_pHL(高→低の遅延時間)とt_pLH(低→高の遅延時間)を求める方法について解説します。これらの遅延時間は、回路設計やパフォーマンス評価において非常に重要です。
1. t_pHLとt_pLHの定義
t_pHLは、CMOS回路において、出力が論理1から論理0へ遷移する際の遅延時間です。一方、t_pLHは、出力が論理0から論理1へ遷移する際の遅延時間を示します。
2. CMOS回路における遅延の要因
CMOS回路の遅延は、トランジスタのキャパシタンス(C)、回路にかかる電圧(V)、およびトランジスタのスイッチング特性(ゲートの入力遅延など)に依存します。これらが組み合わさることで、t_pHLとt_pLHが決まります。
3. t_pHLとt_pLHの求め方
遅延時間は、通常、以下の要因を考慮して求めます。
- トランジスタのオン抵抗(R)と負荷容量(C)
- 回路における電源電圧(V)
- 回路の設計におけるトランジスタの特性(例えば、n型とp型トランジスタのサイズ比)
具体的な式としては、t_pHL = R × C、t_pLH = R × Cという簡単なモデルで表すことができます。ここで、Rはスイッチング抵抗、Cはキャパシタンスです。
4. 実際の回路における遅延測定
実際の回路では、これらの値を測定するためにシミュレーションを行ったり、オシロスコープなどを用いて実測することが一般的です。特に、CMOS回路におけるトランジスタの特性や負荷容量の影響を反映させることが重要です。
まとめ
2入力NAND CMOS回路のt_pHLとt_pLHは、トランジスタのオン抵抗とキャパシタンスに基づいて計算されますが、実際の回路設計ではシミュレーションを通じてこれらの遅延時間を正確に求める必要があります。これにより、回路の動作速度を適切に評価することができます。
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