数学IIの軌跡問題に取り組む際は、与えられた条件をうまく数式に落とし込むことが大切です。ここでは、いくつかの典型的な問題に対する解法を、ステップごとに説明します。問題の途中式も含めて解説しますので、理解しやすいように順を追って確認していきましょう。
① AP² + BP² = 10 の軌跡
与えられた条件:A(0,-2), B(0,2) に対して、AP² + BP² = 10 である点Pの軌跡を求めます。まず、点PをP(x, y)と置きます。
点Aと点Pの距離APは、AP = √(x – 0)² + (y + 2)²、点Bと点Pの距離BPは、BP = √(x – 0)² + (y – 2)² です。したがって、AP² + BP² = 10 を展開すると、次のような式が得られます。
AP² + BP² = (x² + (y + 2)²) + (x² + (y – 2)²) = 10。
これを計算して整理すると、求める軌跡は次のように表されます。
2x² + 2y² + 4 = 10 → x² + y² = 3。
この式は、原点を中心とする半径√3の円の方程式です。したがって、点Pの軌跡は「円」となります。
② A(1,8)とB(3,2)から等距離にある点P
次に、点PがA(1,8)とB(3,2)から等距離にある条件です。点PがAとBから等距離である場合、点PはAとBを結ぶ線分の垂直二等分線上に存在します。
まず、A(1,8)とB(3,2)を結ぶ線分の中点を求めます。中点は、(1 + 3)/2, (8 + 2)/2 = (2, 5)です。
次に、ABの傾きを求めます。ABの傾きは、(2 – 8) / (3 – 1) = -3 です。したがって、垂直二等分線の傾きは、1/3です。
この垂直二等分線の方程式は、点(2,5)を通り、傾きが1/3なので、y – 5 = (1/3)(x – 2) となります。これが点Pの軌跡の方程式です。
③ AP:BP = 2:3 の軌跡
最後に、点PがA(3,0)とB(8,0)からの距離の比がAP:BP = 2:3である点Pの軌跡を求めます。このような条件では、点Pは「加重平均」を使って求めることができます。
距離の比が2:3であるため、点PはAとBを結ぶ線分上にあり、AからBに向かって比率2:3の位置にあります。まず、A(3,0)とB(8,0)を結ぶ直線上に点Pがあるので、Pの座標は、P = ((3 * 3 + 8 * 2) / 5, 0) となります。計算すると、点Pの座標は P = (5.4, 0) となります。
まとめ
今回は、数学IIの軌跡問題について、さまざまな解法を紹介しました。それぞれの問題に対して、与えられた条件をどのように数式に落とし込むかがカギとなります。問題を解く過程で注意すべきポイントを抑えながら、計算を進めることで、正しい軌跡を求めることができます。数学IIの軌跡の問題では、座標を使った計算や方程式の整理が必要なので、慎重に進めていきましょう。
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