惑星が太陽のまわりを等速円運動する場合の公転周期Tを求める問題は、万有引力と運動の法則を組み合わせて解く典型的な物理の問題です。この記事では、公転周期の公式「T = 2π√(r³/GM)」について詳しく説明し、式の意味や選択肢について解説します。
公転周期Tの求め方
太陽のまわりを公転する惑星の運動は、万有引力によって支配されています。万有引力の法則によれば、太陽と惑星の間に働く引力Fは、次のように表されます。
F = G(Mm)/r²
ここで、Gは万有引力定数、Mは太陽の質量、mは惑星の質量、rは惑星の軌道半径です。この引力は、惑星の円運動を維持するための向心力に相当し、次のように表されます。
F = mω²r
ここで、ωは惑星の角速度です。これらの2つの力が等しいことで、惑星の運動が成り立っています。したがって、引力と向心力を等式で結ぶことで、角速度ωを求めることができます。
公転周期Tの公式を導く
次に、角速度ωと公転周期Tの関係を使って、最終的に公転周期を求めます。角速度ωは、周期Tと次の関係を持ちます。
ω = 2π/T
この関係を使って、万有引力の式から公転周期Tを導くことができます。万有引力の式と向心力の式を結びつけると、以下のように公転周期Tが導かれます。
T = 2π√(r³/GM)
これが惑星の公転周期を求める基本的な式です。この式は、惑星の軌道半径rと太陽の質量Mに依存し、惑星の質量mは影響しません。
式「2π√(r³/GM)」と「2πr√(r/GM)」の違い
質問では「2π√(r³/GM)」と「2πr√(r/GM)」が比較されています。実は、両方の式は形が異なりますが、意味は同じではありません。具体的に言うと、式「2π√(r³/GM)」は正しい公式であり、公転周期Tの計算に使用します。
一方、「2πr√(r/GM)」は間違いです。この式は次元的に合わないため、公転周期を正しく表すことはできません。したがって、式「2π√(r³/GM)」が正しい公式です。
r³を√の中に入れる理由
公転周期Tの公式「T = 2π√(r³/GM)」では、r³が√の中に入っていますが、これは次元を合わせるために必要な形です。平方根の中にr³が含まれることで、周期Tが物理的に正しい単位を持つことが保証されます。
具体的には、r³の平方根を取ることで、次元的に「秒」を求めることができます。もしr³を√の外に出してしまうと、次元が一致しなくなり、物理的に意味のある値を得ることができません。
まとめ
惑星の公転周期を求める式「T = 2π√(r³/GM)」は、万有引力と惑星の円運動を考慮した正しい公式です。質問で示された「2πr√(r/GM)」は間違った式であり、次元が合いません。また、r³を√の中に入れる理由は、次元を整えるためです。正しい公式を理解し、物理学の問題を解く際に役立てましょう。
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