この問題では、点A(5,3)を通り、dベクトル(2,1)に平行な直線の媒介変数表示と、その媒介変数を消去した式を求める方法について解説します。媒介変数表示は、直線の方程式をパラメータで表現する方法であり、非常に基本的な線形代数の技法です。ここでは、この方法をわかりやすく説明していきます。
直線の媒介変数表示とは?
直線の媒介変数表示とは、直線上の任意の点を、直線上の基準となる点と直線の方向を示すベクトルを使って表す方法です。これを理解するためには、まず直線の定義を理解する必要があります。
直線は、1点を通り、一定の方向を持つベクトルに沿って伸びていくものです。この方向ベクトルが「dベクトル」に相当します。ここでのdベクトルは(2, 1)ですので、直線の方向はx軸方向に2、y軸方向に1の比率で進むことを示しています。
媒介変数表示の手順
この直線の媒介変数表示は、次のように表せます。
r(t) = A + t * d
ここで、r(t)は直線上の任意の点を表すベクトル、Aは直線上の1点(ここでは点A(5,3))、dは直線の方向を示すベクトル、tは任意の実数(媒介変数)です。これを使って直線上の任意の点を求めることができます。
点A(5,3)を通り、dベクトル(2, 1)に平行な直線の媒介変数表示は次のようになります。
r(t) = (5, 3) + t * (2, 1)
これで、tの値に応じて直線上の任意の点を得ることができます。
媒介変数を消去した式
次に、媒介変数tを消去して直線の方程式を求めます。媒介変数表示をx座標とy座標に分けて考えましょう。
x = 5 + 2t
y = 3 + t
ここで、tについての式を1つの式に消去します。まず、y = 3 + tからtを求めます。
t = y - 3
この式をx = 5 + 2tに代入して、xについての式を求めます。
x = 5 + 2(y - 3)
これを簡単にすると。
x = 5 + 2y - 6
x = 2y - 1
まとめ
点A(5,3)を通り、dベクトル(2,1)に平行な直線の媒介変数表示は、r(t) = (5, 3) + t * (2, 1)
となります。また、媒介変数tを消去して得られる直線の方程式は、x = 2y - 1
となります。これで、直線の方程式を媒介変数を使わずに求めることができました。
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