打ち込み時の外気温が30℃以上になると、コンクリートの施工には注意が必要です。特に暑中コンクリートでは、混和剤の選定と併用方法が施工性や強度に大きく影響します。この記事では、遅延型AE減水剤と流動化剤の併用が可能かどうかについて詳しく解説します。
暑中コンクリートと混和剤の役割
外気温が高い状態でコンクリートを打設する場合、コンクリートの温度上昇を抑えるために特別な対策が必要です。暑中コンクリートでは、コンクリートの凝結時間を調整し、施工中に十分な強度を発揮させることが求められます。そのため、遅延型AE減水剤や流動化剤が役立ちます。
遅延型AE減水剤は、コンクリートの凝結時間を遅らせる効果があり、高温時に施工性を確保するために使用されます。流動化剤は、コンクリートの流動性を高め、均一な打設を実現するために使用されます。
遅延型AE減水剤と流動化剤の併用について
遅延型AE減水剤と流動化剤は、それぞれ異なる目的で使用されますが、基本的には併用が可能です。遅延型AE減水剤はコンクリートの硬化を遅らせ、流動化剤はその流動性を高めるため、両者を組み合わせることで、高温時でも十分な施工性を保ちながら、コンクリートの強度向上を図ることができます。
しかし、併用する際には、適切な割合と使用方法を守ることが重要です。過剰に流動化剤を使用すると、コンクリートが過度に流動的になり、必要な強度が得られなくなる可能性があります。また、遅延型AE減水剤と流動化剤の相性を確認し、製品ごとの使用指示に従うことが大切です。
外気温30℃以上での施工時の注意点
外気温が30℃以上になると、コンクリートの打設時に急速に凝結が進むため、コンクリートの温度管理が特に重要です。遅延型AE減水剤を使用することで、凝結時間を遅らせ、打設時の作業時間を確保できますが、適切な冷却対策と組み合わせることが推奨されます。
また、高温時は水分の蒸発も早く、コンクリートの水分バランスが崩れることがあるため、混和剤の選定だけでなく、適切な水分管理が求められます。
混和剤の併用時の適切な調整方法
遅延型AE減水剤と流動化剤を併用する場合、それぞれの混和剤の使用量やタイミングに注意する必要があります。まず、遅延型AE減水剤を使用してコンクリートの凝結を遅らせ、その後に流動化剤を加えて流動性を調整します。この順番で使用することで、両方の効果を最大限に活用することができます。
また、コンクリートの配合設計を行う際には、使用する混和剤の種類や添加量を最適化することが必要です。試験を行い、実際の打設条件に合った配合を確定することが、施工の成功に繋がります。
まとめ:遅延型AE減水剤と流動化剤の併用の可否
外気温が30℃以上の暑中コンクリート施工時において、遅延型AE減水剤と流動化剤の併用は可能です。適切な使用方法と調整を行うことで、コンクリートの施工性と強度を確保し、暑い環境下でも安定したコンクリート打設が実現できます。混和剤を使用する際は、製品の使用指示に従い、配合設計を最適化することが重要です。
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