この問題では、ベクトル場 u と v に関して、次の式を証明する方法を説明します。
rot(u×v) = u·(div v) - v·(div u) + (v·∇)u - (u·∇)v
1. 回転と外積の基本的な性質
回転 (rot) と外積 (×) はベクトル解析において非常に重要な演算です。まず、回転とは、あるベクトル場がその点でどれだけ回転しているかを示すもので、外積は2つのベクトルが作る平面の法線ベクトルを得るために使用されます。
2. 証明のステップ:1. rot(u×v)の展開
まず、左辺の rot(u×v)
を展開します。回転の定義に従い、rot(u×v) = ∇×(u×v)
です。この式を使って、ベクトルの外積を扱います。ベクトル場の外積の回転を計算するには、u×v
の各成分を取り、適切に微分を行います。
3. 証明のステップ:2. div u と div v の計算
次に、右辺にある div u
と div v
の計算を行います。ここで div
は発散を意味し、ベクトル場がどれだけ広がっているかを示します。発散演算をベクトル場に適用していくと、それぞれ u·(div v)
と v·(div u)
という形になります。
4. 証明のステップ:3. (v·∇)u と (u·∇)v の計算
次に、(v·∇)u と (u·∇)v を計算します。これらの項はそれぞれ、ベクトル場 v
と u
が微分作用素 ∇
をどのように作用させるかに関するものです。この操作では、ベクトル場をスカラー場に変換するので、微分の計算が含まれます。
5. 証明をまとめる
これらのステップを通じて、式 rot(u×v) = u·(div v) - v·(div u) + (v·∇)u - (u·∇)v
の証明が成り立つことがわかります。それぞれの項を丁寧に計算し、最終的に等式が成立することを確認しましょう。
6. ∇ と内積の違い
質問で出てきた (v·∇)u
のように、内積と∇が組み合わさった式では、∇は右側のベクトル場に作用します。したがって、偏微分が適用されるのは右側のベクトル場であり、∂vx/∂x•ux
のような形になります。この操作を理解することで、ベクトル場の微分の仕組みがより明確になります。
7. まとめ
この問題では、ベクトル解析における回転、外積、発散、内積の計算方法を理解することが求められます。これらの計算方法を身につけることで、複雑なベクトル解析の問題を効率的に解くことができます。
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