ポンプと電動機を据え付ける際のセンターリング(芯出し)確認は、機器の動作における精度を保つために非常に重要です。共回し法と片回し法の両方が使用される中、特に共回し法でダイヤルゲージを使う際、回すと数値が変わる理由について理解が深まると作業の精度が向上します。本記事では、センターリング確認における基本的な理屈と共回し法でのダイヤルゲージ測定の原理を解説します。
センターリング確認の重要性と方法
ポンプや電動機を正確に取り付けるためには、機器の軸が直線的に並んでいることを確認する必要があります。これをセンターリングまたは芯出しと呼びます。もしこの調整が不十分だと、機械的な摩擦や振動が発生し、効率が低下したり、機器の寿命が短くなったりします。
センターリング確認には「共回し法」と「片回し法」の2つの方法があります。どちらも異なるアプローチで軸の調整を行いますが、ダイヤルゲージを使用する際の測定原理は共回し法で特に注目すべき点です。
共回し法と片回し法の違い
共回し法では、ボルトを繋いだまま両軸を回転させ、その回転によって生じるずれをダイヤルゲージで測定します。両方の機器が同時に回ることで、ボルトによる接続部分や両軸間の位置ずれが確認できるため、直線的な整列が確認できます。
一方、片回し法では片方の機器だけを回転させ、もう片方は固定された状態でセンターリングを調整します。この方法でも軸のずれは測定できますが、共回し法よりも相対的なずれが把握しやすいという特徴があります。
ダイヤルゲージ使用時に数値が変わる理由
共回し法でボルトを繋いだまま駆動側にダイヤルゲージをセットすると、回すと数値が変わる現象があります。これは、ボルト接続部分が完全に剛性を持っていないため、回転により微小な変位が発生するからです。
ボルトが緩むことで、ボルトの接続部分にわずかな隙間ができることがあります。これが原因で、駆動側と受け側の間にずれが生じ、その結果、ダイヤルゲージが測定する数値が変動します。この変動は、軸の位置関係が完全に整列していないことを示しています。
原理や理屈を理解するためのポイント
ダイヤルゲージを使った測定は、機器の精度や取り付け精度を確認するために非常に有効です。共回し法を用いた場合、ボルトで繋がれた状態でも、接続部分の剛性が完全でないため、回転に伴って数値が変化することがあります。
これを理解することで、センターリング調整において微調整が必要な点や、エラーを最小限にするための対策が見えてきます。ボルトの緩みや軸の歪みが測定に影響を与えるため、適切な締め付けと精度の確認が不可欠です。
まとめ
ポンプと電動機のセンターリング確認において、共回し法や片回し法を使用して、ダイヤルゲージでの測定を行うことは非常に重要です。共回し法で数値が変わる理由は、ボルト接続部の隙間や剛性不足による微小な変位が影響しているからです。この原理を理解することで、センターリング作業の精度が向上し、機器のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。


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