微分方程式系の平衡点と安定集合の求め方

大学数学

次の微分方程式系の平衡点と安定集合を求める方法について解説します。

1. 微分方程式系の確認

与えられた微分方程式系は以下のようになります。

dx/dt = -x^2 + y^2 + 1
dy/dt = 2xy

この微分方程式系の平衡点と安定集合を求めるためには、まず平衡点を求め、その後に安定性を調べます。

2. 平衡点の求め方

平衡点とは、微分方程式系が定常状態にある点、すなわちdx/dt = 0, dy/dt = 0となる点です。

まず、各微分方程式においてdx/dt = 0, dy/dt = 0を代入します。

-x^2 + y^2 + 1 = 0
2xy = 0

2番目の式から、x = 0 または y = 0 となります。ここで、x = 0とすると1番目の式は

y^2 + 1 = 0

となり、実数解は存在しません。したがって、x ≠ 0です。次にy = 0とすると、1番目の式は

-x^2 + 1 = 0

となり、x = ±1が得られます。したがって、平衡点は(x, y) = (1, 0) および (-1, 0) となります。

3. 安定性の解析

次に、得られた平衡点の安定性を調べます。これには、ヤコビ行列を用いて線形化する方法を使用します。ヤコビ行列は、次のように計算できます。

J = [[∂(dx/dt)/∂x, ∂(dx/dt)/∂y], [∂(dy/dt)/∂x, ∂(dy/dt)/∂y]]

まず、各微分方程式の偏微分を求めます。

∂(dx/dt)/∂x = -2x, ∂(dx/dt)/∂y = 2y
∂(dy/dt)/∂x = 2y, ∂(dy/dt)/∂y = 2x

平衡点 (1, 0) におけるヤコビ行列は次のようになります。

J = [[-2, 0], [0, 2]]

行列の固有値を求めると、固有値は -2 と 2 です。このため、平衡点 (1, 0) は不安定な鞍点であることが分かります。

次に、平衡点 (-1, 0) におけるヤコビ行列は次のようになります。

J = [[2, 0], [0, -2]]

この場合、固有値は 2 と -2 です。このため、平衡点 (-1, 0) も不安定な鞍点です。

4. まとめ

微分方程式系の平衡点は (1, 0) と (-1, 0) であり、両方とも不安定な鞍点であることが分かりました。したがって、安定集合は存在しません。

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