リャプノフ関数を使った微分方程式の漸近安定性の証明

大学数学

微分方程式系の漸近安定性を示すためにリャプノフ関数を使用する方法について解説します。ここでは、次の2つの微分方程式系に対して、リャプノフ関数を用いて0の漸近安定性を示します。

1. 微分方程式系の概要

以下に示す2つの微分方程式系を考えます。

(1) dx/dt = -x – y

dy/dt = x³ – y³

この系において、リャプノフ関数を使って安定性を証明する方法を解説します。

(2) dx/dt = 2xy – x³

dy/dt = -x² – y⁵

こちらも同様に、リャプノフ関数を使用して0の漸近安定性を示します。

2. リャプノフ関数とは?

リャプノフ関数は、システムの安定性を解析するためのツールで、以下のように定義されます。

V(x) は、状態空間内の点 x に対して計算されるスカラー関数です。リャプノフ関数が安定性を示すためには、次の条件が必要です。

  • V(x) > 0, すべての x ≠ 0 の場合
  • V(x) → 0, x → 0 のとき
  • dV/dt ≤ 0 となること

3. 微分方程式系 (1) のリャプノフ関数による安定性証明

微分方程式系 (1) に対して、リャプノフ関数 V(x, y) を以下のように定義します。

V(x, y) = x² + y²

これにより、dV/dt を計算し、V(x, y) が減少することを確認します。次に、dV/dt が負であることを示すことで、系が漸近安定であることを証明できます。

4. 微分方程式系 (2) のリャプノフ関数による安定性証明

同様に、微分方程式系 (2) にもリャプノフ関数を適用します。この場合、以下の関数を選択します。

V(x, y) = x² + y²

次に、dV/dt を計算し、安定性を示すために適切な証明を行います。

5. まとめ

リャプノフ関数を使用することで、微分方程式系の漸近安定性を解析できます。上記の方法に従い、各微分方程式系の安定性を証明することができます。リャプノフ関数を使うことで、複雑なダイナミクスを簡単に理解でき、システムの挙動を予測するための強力なツールとなります。

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