複素数の幾何学的な性質を利用した数列{x_n}と{y_n}の収束問題について考えてみましょう。特に、複素数zがr(cosθ + i sinθ)の形で与えられる場合、数列{x_n}と{y_n}が0に収束するための条件を求める問題に取り組みます。この記事では、青チャートで採用されている方法についても解説し、なぜx_n^2 + y_n^2を使って解くのかを説明します。
複素数の幾何学的な表現
複素数zは一般に、r(絶対値)とθ(偏角)を使って、z = r(cosθ + i sinθ)という形で表すことができます。このような表現は、複素数を複素平面上の点として捉えるために非常に便利です。特に、複素数のべき乗を計算するとき、この形を使うことで数列{x_n}と{y_n}を簡単に解析することができます。
数列{x_n}と{y_n}の収束条件
問題の本質は、z^n = x_n + iy_n の形で表される数列{x_n}、{y_n}が、nが大きくなるにつれて0に収束するための条件を求めることです。このとき、複素数の絶対値rが重要な役割を果たします。具体的には、r < 1の場合に数列は収束し、r ≧ 1の場合は収束しないことが分かります。
青チャートでの解法:x_n^2 + y_n^2の活用
青チャートでは、数列{x_n}と{y_n}の収束問題をx_n^2 + y_n^2を使って解く方法が採用されています。なぜこの方法が有効なのでしょうか?これは、x_n^2 + y_n^2が実際にはz^nの絶対値の二乗に等しくなるからです。具体的には、z^nの絶対値は|z^n| = r^nとなり、これを二乗すると、x_n^2 + y_n^2 = r^{2n}となります。
したがって、x_n^2 + y_n^2が0に収束するための条件は、r^2 < 1、すなわちr < 1であることがわかります。このように、x_n^2 + y_n^2を使うことで、数列の収束性を直接的に把握することができるのです。
なぜr < 1で収束するのか?
z = r(cosθ + i sinθ)という形の複素数において、rは複素数の絶対値です。rが1未満の場合、zのべき乗z^nの絶対値はr^nとなり、nが大きくなるにつれて0に近づきます。このとき、x_nとy_nもそれぞれ0に収束します。逆に、r ≧ 1の場合、絶対値が1以上の複素数のべき乗は収束せず、数列{x_n}、{y_n}も発散することになります。
まとめ
複素数zのべき乗に関する数列{x_n}と{y_n}の収束問題を解くためには、複素数の絶対値rが重要な鍵を握っています。青チャートでは、x_n^2 + y_n^2を用いることで、複素数の絶対値の収束性を簡単に確認できる方法を示しています。r < 1であれば数列は収束し、r ≧ 1であれば収束しません。この方法を理解することで、複素数の収束問題を効率よく解くことができます。
コメント