「カロリーは熱に弱いので揚げるとカロリーゼロ」という主張は、一見合理的に聞こえますが、実は詭弁です。このような主張のどの部分が誤りで、なぜ詭弁とされるのかを解説します。
1. カロリーとは何か
カロリーとは、食品が体に提供するエネルギーの単位です。食物が消化される過程で、体内でエネルギーとして使用されるのがカロリーです。食品を加熱したり揚げたりしても、そのカロリーがなくなることはありません。
熱を加えることによって、栄養素が変化することはありますが、カロリー自体は物理的なエネルギーの量であり、加熱で消えることはないのです。
2. 熱に弱いのは栄養素であってカロリーではない
熱に弱いのは、ビタミンやミネラル、酵素などの栄養素であり、カロリーそのものではありません。例えば、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは加熱によって破壊されることがありますが、これは栄養素の一部が失われることを意味します。
一方で、カロリーは炭水化物、脂肪、タンパク質といったエネルギー源に由来し、これらは加熱によって消失することはありません。揚げ物をしても、食べ物に含まれるカロリーはそのまま残ります。
3. 揚げることでカロリーがゼロになることはない
揚げ物をすると、油を吸うためにカロリーが増えることもあります。加熱や揚げることで、食べ物の水分が飛び、内部のエネルギー(カロリー)は凝縮されるため、逆にカロリーが増加することがあります。
したがって、「揚げるとカロリーゼロ」という考え方は間違いであり、揚げ物をすることによって実際にはカロリーが減るわけではなく、むしろそのエネルギーは消費されないまま体内に取り込まれることになります。
4. 詭弁の意味とそのリスク
詭弁とは、論理的に正しくないことを巧妙に説得力を持たせて説明し、相手を誤解させる話術です。「カロリーは熱に弱いので揚げるとカロリーゼロ」といった主張は、誤った理解をもとにした説得であり、実際には健康に悪影響を与える可能性があります。
こうした誤解を招く主張を信じてしまうと、食生活や健康管理に対する誤った選択をすることになりかねません。
まとめ
「揚げるとカロリーゼロ」という主張は、科学的には誤りです。カロリーは熱に弱くないため、加熱や揚げ物をしてもカロリー自体はなくなりません。栄養素が失われることはあっても、エネルギー量は変わらず、そのまま残ります。このような誤った主張に惑わされず、健康的な食生活を心掛けることが大切です。


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