この文章は、安侯世高とその関係者についての物語を含んでいます。以下に、書き下し文と口語訳を紹介します。
漢文の書き下し
安侯世高者,安息國王子,與大長者共出家,學道舎衛城。値王不稱大長者子輒恚,世高恆呵戒之。周旋二十八年,云當至廣州,値亂,有一人逢高,睡手拔刀曰『眞得汝矣』高大笑日『我風命負對,故速來相償。』遂殺之。有一少年云『此遠國異人而能作吾國言,受害無難色,將是神人乎?』衆皆駭笑。
口語訳
安侯世高は、安息国の王子であり、大長者とともに出家し、舎衛城で道を学びました。ある日、王が大長者の子を認めないことで怒り、世高はその度に戒めました。28年間周囲を転々とし、広州に向かう途中で、乱れた状況に出くわしました。その際、一人の人物が高に近づき、刀を抜いて『お前をやっと捕まえた』と言いました。高は大声で笑いながら『私は風の命に背いているから、早く来て返しなさい』と言い、その人物を殺しました。別の少年が言いました。『これは遠い国の異人であり、我が国の言葉を話せる。害を受けても顔色一つ変えない、もしかすると神人なのか?』と。その言葉に皆が驚き、笑いました。
解説: 物語の背景
この物語は、安侯世高という人物の逸話を通じて、道教的な要素や当時の社会背景、またその中での人々の行動が描かれています。特に『風命負対』という表現は、命運や運命に背を向けて生きるというテーマを象徴しており、世高の精神的な強さを示しています。
結論
この物語は、異文化や言語の違いを越えて、ある種の人間的な直感や、宗教的・哲学的な要素を伝えています。異人に対する恐れや尊敬、また神秘的な存在としての捉え方が、物語を通して浮かび上がります。
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