短歌を初めてから4か月が経ちました。自身の成長を実感しつつ、少しずつその魅力に引き込まれている方も多いでしょう。今回は、短歌を学び始めた4か月目に自作の短歌を振り返り、どのように進歩したのか、また改善の余地がある部分について考察していきます。
短歌を振り返る:あなたの3つの作品
まずは、質問者の3つの短歌を見てみましょう。
- ①東からイナゴが降ってくる朝に 環状列石婚姻儀式
- ②汐風になびく黒髪べとべとの ぬるぬるわかめ愛しき我が子
- ③気狂いの鏡に映るばあさんの 穴掘る指の確かな傷み
①「東からイナゴが降ってくる朝に 環状列石婚姻儀式」の評価
この短歌は、自然と人間の営みが交錯する様子を描いています。「イナゴが降ってくる朝」という表現は、情景が鮮明に浮かび上がり、視覚的にも印象的です。また、「環状列石婚姻儀式」と続けることで、何か儀式的な儀式のような神聖な雰囲気を漂わせており、時間の流れや歴史を感じさせます。
ただし、「イナゴが降ってくる」という表現がやや不自然に感じられるかもしれません。イナゴが「降る」という表現は、少し非現実的に思えるため、もう少し自然な動きに落ち着けると良いでしょう。例えば「イナゴが飛んでくる」とすることで、現実感が増します。
②「汐風になびく黒髪べとべとの ぬるぬるわかめ愛しき我が子」の評価
この短歌では、自然と母性が絡み合う美しいイメージが表現されています。「汐風になびく黒髪」という表現は非常に美しく、風の流れや髪の揺れが視覚的に想像できます。「ぬるぬるわかめ」と続くことで、さらに感覚的な部分にフォーカスしており、湿り気やぬるさが伝わってきます。
しかし、「べとべとの」という表現が少し過剰に感じられます。湿った感じを強調したいのであれば、「ぬるぬるわかめ」の表現で十分かもしれません。もう少しシンプルに表現することで、リズムが改善されるかもしれません。
③「気狂いの鏡に映るばあさんの 穴掘る指の確かな傷み」の評価
この短歌は、強い感情を描いたものです。鏡に映る「気狂いのばあさん」という印象的なフレーズが、心理的な重みを感じさせます。「穴掘る指の確かな傷み」という表現は、肉体的な痛みを表現しており、身体感覚を伴ったリアリティが伝わってきます。
一方で、「気狂い」という表現が少し直接的で、感情の表現にもう少し深みを持たせると良いかもしれません。例えば、「狂気の鏡に映る」とすることで、少し抽象的で詩的な印象を与えることができます。
短歌の上達のために
あなたの短歌はすでに豊かな表現力を持っており、上達の兆しが見えます。特に、情景や感情を描写する力が強く、読者に印象を残すことができます。しかし、もう少し表現を精緻化することで、さらに魅力的な短歌になるでしょう。たとえば、比喩や言葉の選び方を工夫することで、より深い意味を含んだ作品に仕上がります。
まとめ:さらなる成長を目指して
短歌を始めてから4か月という短期間で、感情や自然を豊かに表現できる力を身につけていることは素晴らしい成果です。これからは、細部の表現やリズムの改善を意識し、さらに作品を磨いていきましょう。上達は練習と工夫によって確実に進んでいきますので、楽しみながら短歌を続けてください。


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