対角線論法と0.9999…の問題:同じ数として扱う理由と反証

大学数学

対角線論法に関する質問で、0.1000…(2)と0.0111…(2)が同じ値である場合について疑問を持っている方もいるかもしれません。特に、これらの値を異なる方法で並べ替えて、対角線論法における「新たな数を生み出す」問題に関して解説します。この記事では、対角線論法と0.9999…やその二進法表記に関する理解を深め、反証を行います。

対角線論法とは?

対角線論法は、数学的な証明方法の一つで、無限集合における「新しい要素」を見つけるために使われます。例えば、実数の集合が可算でないことを証明する際に用いられます。この方法では、与えられた数列の対角線を用いて新しい数を作り出す方法です。

問題にある「0.1000…(2)」や「0.0111…(2)」のように、二進法での表記においても、対角線論法の考え方が適用できます。しかし、このアプローチに関する誤解が生じることもあります。

0.9999…と1が等しい理由

0.9999…(無限に続く9)は、実際に1と等しいとされます。これは、数学的には次のように証明できます。

0.999… = xとおき、10x = 9.999…となり、xを引くと1 = 10x – xなので、x = 1。よって、0.9999…は1と等しいという結論になります。

この概念を基にすると、二進法における表現である「0.1000…(2)」と「0.0111…(2)」も同じように扱う必要があります。なぜなら、どちらも「1」に等しいからです。

二進法における「0.1000…(2)」と「0.0111…(2)」の違い

二進法での「0.1000…(2)」と「0.0111…(2)」は、どちらも1を表しています。以下のように説明できます。

0.1000…(2) = 1/2 + 0/4 + 0/8 + 0/16… = 1

0.0111…(2) = 0/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16… = 1

このように、二進法で書かれた両者は異なる表記をしているように見えますが、実際には同じ値を表しています。

対角線論法の反証と誤解の解消

質問者が述べたように、並べ方を変えることで新たな数が出現するという考えには誤解があります。対角線論法では、数の並べ方が変わっても、その数列が表す値自体は変わりません。例えば、「0.1000…(2)」と「0.0111…(2)」はどちらも1を表すので、新しい数が生まれることはありません。

したがって、これらの数の並べ替えにより新たな数が「生まれる」わけではなく、表記の仕方の違いがあるだけです。この点を理解することで、対角線論法の誤解を解消できます。

まとめ

「0.1000…(2)」と「0.0111…(2)」は異なる表記をしていますが、どちらも1を表しており、対角線論法において新しい数を生み出すことはありません。並べ替えによって新たな数を作ることはできず、数の値は変わらないことを理解することが重要です。

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