観測可能な宇宙の端から届く光が、宇宙の年齢137億年に対して465億光年先から到達するという話は、一見すると矛盾しているように思えます。しかしこれは、宇宙の膨張という現象を考慮すると理解できます。この記事では、この仕組みについて分かりやすく解説します。
1. 光年と宇宙膨張の違い
光年は光が1年間に進む距離を表します。しかし、宇宙空間自体が膨張しているため、光が進む距離と実際の物体間の距離は一致しません。遠くの銀河から発せられた光は、光速で進む一方で、宇宙自体が拡大しているため、現在の地球までの距離は発光時よりもはるかに長くなっています。
2. 宇宙膨張の影響
宇宙が膨張する速度は、銀河間の距離が遠いほど大きくなります。これにより、光が到達するまでの間に宇宙が膨張し、距離がどんどん伸びます。その結果、137億年の歴史を持つ宇宙でも、光が届いた現在の距離は465億光年に達するのです。
3. 実際の距離の計算
この距離は「共動距離」や「現在の宇宙での距離」と呼ばれる概念で計算されます。過去に発せられた光が到達するまでの間に、宇宙の膨張によって空間そのものが広がるため、光が進む距離よりも実際の物体間の距離は大きくなります。
4. まとめ
まとめると、137億年という宇宙の年齢に対して、465億光年先から光が届くのは、宇宙空間が膨張しているためです。光自体は光速で進んでいますが、空間の膨張により、光が到達した現在の距離は非常に大きくなります。これにより観測可能な宇宙の大きさが説明されます。
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