直列・並列接続されたコンデンサの計算方法と電圧の求め方

工学

コンデンサの並列接続と直列接続に関する計算方法は、電気回路の基本的な理解を深めるために重要です。特に直列接続されたコンデンサの各電圧を求める問題については、多くの学生やエンジニアがつまずくことがあります。この記事では、並列接続と直列接続の違いと、それぞれの計算方法についてわかりやすく解説します。

1. 並列接続されたコンデンサの電荷と合成静電容量

まず、並列接続されたコンデンサの場合の合成静電容量と各コンデンサの電荷の求め方を見てみましょう。並列接続の場合、合成静電容量は各コンデンサの容量の合計です。

例として、2μF、3μF、4μFのコンデンサが並列接続され、100Vの電圧が加わる場合を考えます。合成静電容量は次のように計算できます。

合成静電容量 = 2μF + 3μF + 4μF = 9μF

次に、各コンデンサの電荷は、Q = CVという公式に基づいて求めます。電圧100Vを使用して、次のように計算します。

  • 2μFの場合、Q = 2×10^-6 × 100 = 2×10^-4C
  • 3μFの場合、Q = 3×10^-6 × 100 = 3×10^-4C
  • 4μFの場合、Q = 4×10^-6 × 100 = 4×10^-4C

2. 直列接続されたコンデンサの計算

直列接続されたコンデンサでは、合成静電容量を求めるために異なる計算方法が必要です。直列接続されたコンデンサの合成静電容量は、次の公式を使用します。

1 / C合成 = 1 / C1 + 1 / C2 + 1 / C3

ここで、C1 = 2μF、C2 = 3μF、C3 = 6μFの場合、合成静電容量は次のように計算されます。

1 / C合成 = 1 / 2 + 1 / 3 + 1 / 6 = 1 / C合成 = 1

C合成 = 1μF

3. 直列接続時の各コンデンサの電圧

次に、直列接続されたコンデンサに加わる電圧の求め方を見ていきましょう。直列接続の場合、電荷は各コンデンサで同じですが、電圧は異なります。電圧は、各コンデンサの容量によって分配されます。具体的には、各コンデンサにかかる電圧は、次の公式で求められます。

V1 = Q / C1

V2 = Q / C2

V3 = Q / C3

ここでQは直列接続されたコンデンサにかかる同じ電荷量です。合成静電容量が1μFで30Vの電圧がかかる場合、各コンデンサにかかる電圧を順番に計算します。

4. 直列接続時の電圧の分配例

30Vの電圧がかかっている場合、各コンデンサの電圧を計算するには、それぞれのコンデンサの容量に応じて電圧が分配されます。具体的な計算は、先程の公式を使用して、各コンデンサにかかる電圧を求めます。

  • 2μFのコンデンサにかかる電圧:V1 = Q / C1
  • 3μFのコンデンサにかかる電圧:V2 = Q / C2
  • 6μFのコンデンサにかかる電圧:V3 = Q / C3

5. まとめ

直列接続と並列接続では、コンデンサの容量や電圧の分配が異なります。並列接続では、合成静電容量は容量の合計ですが、直列接続では容量の逆数の和が合成静電容量となります。直列接続時の各コンデンサの電圧分配について理解することで、より複雑な回路の解析ができるようになります。

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