SNSでの自撮りと承認欲求の心理背景:なぜ叩かれるのか

心理学

SNS、とりわけX(旧Twitter)では、自撮りを投稿することで「承認欲求まる出し」「必死だな」などと批判されることがよくあります。冷静に考えると、誰しも承認欲求を持っているのに、なぜ自撮りに対してだけそのような反応が起こるのでしょうか?この記事では、自撮りを投稿することへの批判的な反応の心理的背景を探り、SNSでの承認欲求に対する文化的価値観やメディアによる影響を考察します。

1. 承認欲求とSNS

まず、SNSにおける「承認欲求」とは、他者からの認知や評価を求める心理的な欲望のことです。たとえば、Twitterでバズりたい、YouTubeで高評価をもらいたい、Instagramで「いいね」をもらいたいという行為は、すべて承認欲求に基づいています。これらの行為は、SNSというプラットフォームがその目的に特化しているため、非常に一般的です。

自撮りを投稿することも、この承認欲求の一つの表現方法です。しかし、自撮りの場合、他の投稿(例えばバズったネタツイートや絵の投稿)と比べて、なぜかネガティブな反応が多く見受けられます。それは、見た目や外見が人々の評価を強く引き起こすためです。

2. 自撮りと見た目の影響

自撮りは、その投稿者の「顔」や「見た目」が強くクローズアップされるため、視覚的な要素が重視されます。これにより、特に「嫉妬」や「劣等感」を抱く人々にとって、反感を買いやすくなります。また、SNSにおいては、他者の「完璧な」姿や生活を見せつけられることが多いため、自撮りが承認欲求の露骨な表れだと見なされやすいのです。

自撮りを投稿すること自体は、SNS上で自分を表現する方法の一つであり、自己表現の自由であるべきですが、それが「自己顕示欲」として受け取られることも少なくありません。

3. 承認欲求は隠すべきか?文化的価値観の影響

「承認欲求は隠すべき」といった文化的な価値観が背景にある可能性もあります。特に日本などでは、謙虚さが美徳とされ、自己主張や目立つ行動が避けられる傾向にあります。そのため、自撮りを投稿する行為が過剰な自己主張と捉えられ、批判の対象となることがあるのです。

また、SNSでは他者との比較が容易であるため、「他人よりも目立とう」という気持ちが強くなり、その結果、承認欲求を露わにすることに対して批判的な声が上がることも多いです。こうした文化的背景が、SNSでの自撮りに対する否定的な反応を生む要因の一つとなっていると言えるでしょう。

4. メディアとSNSの影響

メディアやSNSは、承認欲求を極端に煽ることがしばしばあります。例えば、Instagramなどでは、理想化された「完璧な」生活や外見が頻繁に投稿され、そのような投稿が「いいね」を集めることで、他者の目を引くためにさらに魅力的な自撮りや投稿が求められるようになります。

これが「自己顕示欲」や「承認欲求」を強化し、SNSにおける外見や生活の美化が一般的に見られるようになりました。自撮りを投稿することが自然に自己表現であっても、過度に美化された投稿が批判されることが多いのです。

5. 他のSNSプラットフォームでの違い

SNSプラットフォームによって、反応が異なることもあります。例えば、Instagramでは自撮りを投稿することが一般的であり、自己表現の一環として多くのユーザーが積極的に行っています。そのため、自撮りに対する反応も比較的ポジティブで、批判されることは少ないです。

一方、X(旧Twitter)などのプラットフォームでは、テキスト中心の投稿が主流であり、自撮りの投稿が目立つと「承認欲求が強すぎる」と受け取られることがあります。これによって、各SNSの文化やユーザー層によって反応が大きく変わることがわかります。

まとめ

自撮りを投稿することへの批判は、承認欲求を露わにすることへの文化的な反発や、視覚的な要素が嫉妬や劣等感を引き起こすことが原因と考えられます。しかし、承認欲求自体は誰もが持っている自然な感情であり、それが悪いことではありません。SNSというプラットフォームでは、自己表現の方法やその受け入れられ方が異なるため、どのように発信するか、またどのような反応が返ってくるかを理解し、柔軟に対応することが求められると言えるでしょう。

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