dy/dx=√|y|の解の一意性とリップシッツ条件の不成立の証明

大学数学

微分方程式dy/dx = √|y|の解の一意性と、原点近傍でのリップシッツ条件の成立について考えてみましょう。この問題では、特に初期条件y(0) = 0における解の挙動と、その一意性に関する重要な理論を扱います。具体的には、この方程式の解が一意的でないこと、そして原点近傍ではリップシッツ条件が満たされないことを示します。

1. 微分方程式の概要

与えられた微分方程式は、次のように表されます。

dy/dx = √|y|
初期条件:y(0) = 0

この微分方程式は、yの導関数がyの絶対値の平方根に依存している非線形方程式です。y(0) = 0という初期条件を持つ解が一意的であるかどうかを調べることが重要です。

2. 解の一意性の証明

解が一意的でないことを示すために、リュヴェルの定理を用います。この定理によると、ある微分方程式が初期値問題で解の一意性を持つためには、その微分方程式の右辺がリップシッツ連続である必要があります。しかし、ここでの右辺は√|y|という関数であり、y = 0の点で微分可能ではなく、したがって右辺はリップシッツ連続ではありません。

具体的には、y = 0の近傍で右辺の変化が急激であり、yの値が小さい時に微分方程式の解が複数存在する可能性があることが示されます。これにより、解が一意的でないことがわかります。

3. リップシッツ条件が満たされない理由

次に、原点近傍でリップシッツ条件が満たされないことを示します。リップシッツ条件とは、右辺の関数がある定数Lに対して次のように表される条件です。

|f(x, y1) – f(x, y2)| ≤ L |y1 – y2|

ここで、f(x, y) = √|y|です。この関数のyについての偏微分を求めると、y = 0の時に無限大となり、原点近傍ではリップシッツ条件が満たされません。このため、原点近傍で解の挙動が不安定であり、リップシッツ連続性が成立しないことが示されます。

4. 結論

微分方程式dy/dx = √|y|において、初期条件y(0) = 0に対する解は一意的でないことが示されました。また、原点近傍でリップシッツ条件が成立しないため、この方程式における解の挙動は安定しません。これらの結果は、非線形微分方程式の解法において重要な理論的知見を提供します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました