高校化学の問題でよく出てくる「PV = nRT」を使って気体の物質量を求める問題。しかし、計算の際に間違えやすいポイントがあります。特に、体積をそのまま「22.4L」を使って計算する方法について誤解が生じることがあります。この記事では、その理由を詳しく解説し、正しい計算方法を紹介します。
気体の物質量を求めるための基本式
気体の物質量を求める際に使用するのが、理想気体の状態方程式「PV = nRT」です。この式は、気体の圧力(P)、体積(V)、物質量(n)、気体定数(R)、温度(T)を用いて、気体の性質を計算するものです。
具体的な問題では、与えられた値を代入して物質量(n)を求めることができます。例えば、気体の体積が与えられ、温度と圧力もわかっている場合、この式を使って物質量を求めることができます。
「30×10^-3 ÷ 22.4」で計算してはいけない理由
質問の中で「30×10^-3 ÷ 22.4」という計算をしている理由は、標準状態(0℃、1気圧)での気体の体積が22.4Lであることを前提にしているからです。しかし、この方法では温度や圧力が異なる場合に対応できません。
実際には、温度や圧力が標準状態でない場合、気体の体積は異なるため、単純に「22.4L」を使って計算してはいけません。この場合、PV=nRTを使って、与えられた温度と圧力に基づいて計算する必要があります。
正しい計算方法
正しい方法では、まず「PV = nRT」の式を使用します。具体的には、次のように計算します。
- Pは圧力(Paで表す)、Vは体積(m³で表す)、nは物質量(molで表す)、Rは気体定数(8.31 J/mol·K)、Tは温度(Kで表す)です。
- 与えられた体積が30mL(30×10^-3L)であり、温度が27℃(300K)、圧力が1.0×10^5Paの場合、これらの値を代入して物質量nを求めます。
計算式に代入すると、物質量nは次のように求めることができます。
n = PV / RT
これで、気体の物質量を正しく求めることができます。
まとめ
「30×10^-3 ÷ 22.4」のような計算をしてはいけない理由は、標準状態での気体の体積を前提にしているためです。温度や圧力が異なる場合には、必ず「PV = nRT」を使って計算する必要があります。この方法で正確に物質量を求めることができるので、覚えておきましょう。


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