微分方程式の解法の一つに、ピカード法(Picard method)があります。今回は、微分方程式「xy’ = 1 – y + x^2y^2」と初期条件y(0) = 1を満たす解をピカード法を使って求めます。この記事では、この方法をステップバイステップで解説します。
1. 問題の整理
まず、与えられた微分方程式は次のようになります:
xy’ = 1 – y + x^2y^2
初期条件はy(0) = 1です。この方程式を解くために、ピカード法を使います。
2. ピカード法とは
ピカード法は、微分方程式の解を逐次近似的に求める方法で、定積分を用いて次の近似解を導きます。最初の近似を基に、新たな近似を求めることで解を近似的に求めていきます。
3. ピカード法による解法のステップ
まず、微分方程式を次のように変形します。
y’ = (1 – y + x^2y^2)/x
次に、初期条件y(0) = 1を使って最初の近似y₀(x)を求めます。最初の近似では、x = 0でy(0) = 1が与えられるため、y₀(x) = 1が最初の近似解となります。
次に、この近似を使って次の近似y₁(x)を計算します。y₁(x)は、以下の式で求めます。
y₁(x) = y₀(x) + ∫(1 – y₀(x) + x²y₀²(x))/x dx
4. 次の近似を求める
最初の近似を基に、さらに次の近似解y₂(x)やy₃(x)を求めていきます。これにより、解は次第に収束していきます。具体的には、y₁(x)を求め、その結果を基にy₂(x)を計算し、さらにそれを基にy₃(x)を計算することで、解に近づいていきます。
5. まとめ
ピカード法を用いた微分方程式の解法は、初期条件を与えられた問題に対して有効な方法です。逐次的に近似を求めることで、解が収束する様子を確認でき、特に数値的に解を求める場合に有用です。この方法を理解し、安定して使えるようになることが重要です。


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