サーマルリレーとは？「サーマルリレーが飛ぶ」とはどういうことか

サーマルリレーは、電気機器の保護装置の一つで、モーターなどが過負荷状態になった際に自動的に回路を遮断し、機器の損傷を防ぐ役割を担っています。このため、サーマルリレーは工場や機械設備の安全管理に欠かせない存在となっています。では、サーマルリレーが「飛ぶ」とはどういう意味なのでしょうか。

1. サーマルリレーの役割

サーマルリレーは、主にモーターを保護するために使われます。モーターが過負荷状態になると、モーターのコイルに流れる電流が増加し、その結果、発熱が進みます。この過熱を検知し、サーマルリレーが自動的に回路を切り離して、モーターを保護します。これにより、モーターが故障する前に早期に対処することができます。

サーマルリレーは内部にバイメタル（2種類の金属が重なったもの）を使っており、過熱によってバイメタルが変形し、スイッチを切る仕組みになっています。

「サーマルリレーが飛ぶ」というのは、サーマルリレーが過負荷を検知し、回路を切断した状態を指します。実際には、「飛ぶ」という表現は、サーマルリレーが作動してモーターを保護するために回路を遮断した結果を意味しています。

この状態が発生すると、モーターは一時的に停止し、再度動作させるにはリセットが必要になります。過負荷状態が続いている場合は、リセット後も再び「飛ぶ」ことがありますので、負荷の調整が必要です。

サーマルリレーが飛ぶ主な原因としては、以下のようなものがあります。

これらの問題が発生すると、サーマルリレーが過熱を検知して回路を遮断します。そのため、原因を特定し、必要に応じてモーターの負荷を調整したり、サーマルリレーの設定を確認することが重要です。

サーマルリレーが飛んだ場合、まずはモーターや回路の状態を確認しましょう。モーターに過負荷がかかっている場合は、その原因を取り除く必要があります。例えば、モーターが汚れていたり、ベアリングが摩耗している場合があります。

また、サーマルリレー自体が故障していることも考えられるため、リレーの点検や交換も必要です。すべての問題が解決されたら、リセットボタンを押して再起動します。

サーマルリレーは、機器の過負荷を防ぎ、故障を未然に防ぐために非常に重要な役割を果たします。「サーマルリレーが飛ぶ」というのは、過負荷や異常な状態を感知した結果として回路を遮断したことを指します。問題が発生した場合は、その原因を特定して、適切な対策を講じることが必要です。