この質問では、Ca(OH)2(水酸化カルシウム)とBa(OH)2(水酸化バリウム)の水溶液が異なる性質を示す理由について解説します。どちらも強い塩基であるにもかかわらず、Ca(OH)2は中性を示し、Ba(OH)2は塩基性を示します。なぜこのような違いが生じるのか、その背景にある化学的な要因を詳しく説明します。
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の水溶液
水酸化カルシウムは、強い塩基であり、一般的に水に溶けると水酸化物イオン(OH-)を放出します。しかし、水酸化カルシウムは水に溶ける度合いが非常に低いため、溶解した分だけでpHを大きく変化させることはありません。このため、Ca(OH)2 の水溶液はほぼ中性に近いpHを示します。
したがって、Ca(OH)2が水に溶けると、ほとんどが水酸化物イオンに変わり、結果的にその水溶液は中性を維持します。
水酸化バリウム(Ba(OH)2)の水溶液
水酸化バリウムは、Ba(OH)2 のような強い塩基ですが、Ca(OH)2よりも溶解度が非常に高いです。これにより、より多くのOH-が水中に放出され、pHが強く塩基性を示します。
Ba(OH)2は水に溶けると、より多くの水酸化物イオン(OH-)を供給し、そのためその水溶液は強いアルカリ性を持つのです。
溶解度の違いによる影響
この違いの主な要因は、溶解度にあります。Ca(OH)2は水に対して比較的溶解度が低く、その結果、得られる水酸化物イオンの濃度が低くなり、中性に近いpHを示します。対照的に、Ba(OH)2は水に溶けやすいため、より多くの水酸化物イオンが水中に供給され、より高いpHを示す塩基性になります。
まとめ
Ca(OH)2 と Ba(OH)2 の水溶液が示す性質の違いは、主に溶解度に起因しています。Ca(OH)2は水に溶けにくいため、pHは中性に近く、Ba(OH)2は水に溶けやすく、そのため強いアルカリ性を示すのです。これらの反応を理解することは、化学的性質をより深く理解するために重要です。
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