古文を学んでいると、「る」という助動詞がどのように使われているのか、特にその品詞や意味に関して迷うことがあります。特に「海人の流せる舟かとぞみる」という句の中で使われている「る」が完了や強意の「り」に該当するのか、それとも他の意味があるのかを解説します。
「る」の意味と用法
「る」は、古文において非常に多様な意味を持つ助動詞です。代表的な用法としては、完了や強意、進行の意味があります。しかし、文脈によってその用法が異なるため、正確に理解することが大切です。ここでは、具体的な例を通して「る」の品詞を分解し、その用法を見ていきましょう。
「流せる」の品詞分解
質問の文「海人の流せる舟かとぞみる」における「流せる」は、動詞「流す」に助動詞「る」がついた形です。この「る」は、動詞に続いて「完了」や「強意」の意味を表します。しかし、質問者が指摘したように、ここで「流せる」となっている点については少し複雑です。
「流せる」という形は、サ変動詞「流す」の未然形「流さ」に、「る」が接続している形です。通常、「る」はサ変動詞に接続するとき、未然形に「り」がついて、「流さり」や「流せり」になるところですが、文脈から考えると「ぞ」があるため、係り結びの已然形として「流せ」になっていると解釈することができます。
係り結びの已然形とその役割
「ぞ」という係助詞は、主に已然形(動詞の連体形)と結びついて意味を強調します。この場合、動詞「流す」に係助詞「ぞ」が続くことで、文末の「みる」に対する強調が働きます。そのため、未然形「流さ」ではなく、已然形「流せ」を使うことにより、自然な古文の文法として成り立っています。
係り結びの已然形は、助動詞「る」が接続する場合に特に重要です。「流せる」という形が完成した理由は、このように助動詞と係助詞の相互作用によるものです。
「流せる」の意味と文脈における解釈
「海人の流せる舟かとぞみる」という文では、「流せる舟」とは、すでに流された状態の舟を指しており、「る」の使い方としては、過去に起こった出来事の結果を表す完了の意味が強いです。文全体の意味としては、舟が流された後の様子や、流されていく過程に対する感慨を表現しています。
ここでの「流せる」は、舟がすでに流されている状態を強調しており、文中の「ぞ」はその事実を強調し、視覚的に印象的な表現を作り出しています。
まとめ
「海人の流せる舟かとぞみる」の「る」は、サ変動詞「流す」に接続する形で、係り結びの已然形を形成しており、過去に流された舟の状態を強調する役割を果たしています。このような助動詞の使い方は、古文において重要な部分であり、文脈によってその意味が変わるため、注意深く理解することが大切です。
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