化学基礎の問題を解くには、化学反応に基づいた計算を理解することが大切です。ここでは、エタノールの完全燃焼と亜鉛と塩酸の反応について計算します。
1. エタノールの完全燃焼
問題:エタノールC₂H₆O₄.6gを完全燃焼させた時、生成する二酸化炭素と水の質量を求めなさい。
まず、エタノールの分子式はC₂H₆Oです。燃焼反応は次のようになります:
C₂H₆O + 3O₂ → 2CO₂ + 3H₂O
次に、エタノールのモル質量を計算します。
C₂H₆Oのモル質量は: 2(12) + 6(1) + 16 = 46 g/mol
エタノールの質量が4.6gなので、モル数は:
4.6 g ÷ 46 g/mol = 0.1 mol
反応式から、エタノール1モルに対して、2モルの二酸化炭素と3モルの水が生成されます。したがって、0.1 molのエタノールから生成される二酸化炭素と水のモル数は:
CO₂: 0.1 mol × 2 = 0.2 mol
H₂O: 0.1 mol × 3 = 0.3 mol
次に、それぞれの物質の質量を求めます。
CO₂のモル質量は: 12 + 2(16) = 44 g/mol
H₂Oのモル質量は: 2(1) + 16 = 18 g/mol
それぞれの質量は:
CO₂: 0.2 mol × 44 g/mol = 8.8 g
H₂O: 0.3 mol × 18 g/mol = 5.4 g
したがって、完全燃焼により生成される二酸化炭素は8.8g、水は5.4gです。
2. 亜鉛と塩酸の反応
問題:2.0mol/Lの塩酸HCl 10mLに、最大何gの亜鉛Znを溶かすことができるか?このとき、標準状態で何Lの水素H₂が発生するか?
まず、亜鉛と塩酸の反応式は:
Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂
反応式から、亜鉛1モルに対して1モルの水素が生成されます。塩酸のモル数を計算します:
塩酸のモル数 = 2.0 mol/L × 10 mL = 2.0 mol/L × 0.01 L = 0.02 mol
反応式に従って、亜鉛のモル数は塩酸のモル数の半分なので、亜鉛のモル数は:
0.02 mol ÷ 2 = 0.01 mol
亜鉛1モルの質量は65gなので、0.01モルの亜鉛の質量は:
65 g/mol × 0.01 mol = 0.65 g
次に、水素ガスの体積を求めます。標準状態(0℃、1気圧)では、1molの気体は22.4Lの体積を占めます。したがって、生成する水素の体積は:
0.01 mol × 22.4 L/mol = 0.224 L
まとめ
1. エタノールの完全燃焼では、二酸化炭素が8.8g、水が5.4g生成されます。
2. 塩酸と亜鉛の反応で、最大0.65gの亜鉛が溶け、標準状態で0.224Lの水素が発生します。
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