マクロ経済学における操業停止点の計算方法と注意点

大学数学

マクロ経済学で扱う操業停止点に関する問題では、特に利潤の計算方法やその条件を正確に理解することが重要です。質問では、二次関数の総収入 (TR) と総費用 (TC) を使って操業停止点を求める問題に直面しているようです。この記事では、その計算方法をわかりやすく解説し、よくある誤解についても触れていきます。

操業停止点とは

操業停止点とは、企業が生産を行うべきかどうかを決めるためのポイントで、利潤がゼロまたはそれ以下となる点です。具体的には、企業がどの生産量で操業を停止すべきかを示します。この点を計算するために、総収入(TR)と総費用(TC)を使い、利潤を求めます。

一般的に、操業停止点における利潤は負の固定費用と一致することが求められます。これにより、生産を続けるか停止するかの判断基準が得られます。

問題における総収入と総費用の式

問題文では、次のような総収入 (TR) と総費用 (TC) の式が与えられています。

TR = 15x
TC = 20 + 10x - 2x^2 + (1/3)x^3

ここで、xは生産量、TRは総収入、TCは総費用です。この問題では、まず総費用(TC)から限界費用(MC)と平均可変費用(AVC)を求め、それを基に計算を進めます。

限界費用(MC)と平均可変費用(AVC)の求め方

限界費用(MC)は、総費用(TC)の1単位当たりの変化量です。つまり、総費用(TC)のxに関する微分を取ることでMCを求めます。

MC = d(TC)/dx = 10 - 4x + x^2

次に、平均可変費用(AVC)は、可変費用(VC)を生産量(x)で割ったものです。可変費用(VC)は、総費用(TC)から固定費用(FC)を引いたものです。

AVC = VC / x = (10x - 2x^2 + (1/3)x^3) / x = 10 - 2x + (1/3)x^2

MC = AVC から生産量 x を求める

問題では、「MC = AVC」の条件からxを求めることが求められています。MC = AVCの式を立てると、次のような方程式が得られます。

10 - 4x + x^2 = 10 - 2x + (1/3)x^2

この方程式を整理して解くと、x = 3 となります。これが操業停止点における生産量です。

利潤πの計算と誤解の原因

操業停止点では、利潤πは負の固定費用と一致することが求められます。利潤πは、総収入(TR)から総費用(TC)を引いた値で求めます。

π = TR - TC = 15x - (20 + 10x - 2x^2 + (1/3)x^3)

x = 3を代入すると、π = -20となり、これが固定費用に一致します。つまり、操業停止点では、企業の利潤は-20となり、これはまさに固定費用の負の値と一致します。

まとめ

操業停止点を求める問題では、MCとAVCを使って生産量を求め、利潤が負の固定費用と一致することを確認することが重要です。問題でx = 3となることがわかり、利潤が-20になることで操業停止点における条件が満たされることが確認できました。解法の途中での誤解を避けるために、各計算式を丁寧に確認することが大切です。

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