ニコンS型顕微鏡は1950年代後半から1970年代前半に製造されたクラシックなモデルで、主に透過光観察を目的とした設計がされています。しかし、岩石鉱物の薄片観察や金属鉱物の同定など、反射光観察を行いたい場合、S型顕微鏡に偏光反射機能を追加することは可能です。
ニコンS型顕微鏡の基本構造と特徴
ニコンS型顕微鏡は、シンプルな構成ながらも高い光学性能を持ち、対物レンズやコンデンサーの交換が可能です。特に、偏斜コンデンサーを使用することで、偏光反射観察が可能となります。
偏光反射機能を追加する方法
偏光反射観察を行うためには、以下の手順で機能を追加できます。
- 偏斜コンデンサーの導入: S型顕微鏡には、偏斜コンデンサーを装着することで、反射光観察が可能となります。これにより、金属鉱物などの観察が可能となります。
- 偏光用フィルターの追加: 偏光観察を行うためには、ポラライザーとアナライザーを導入する必要があります。これらのフィルターを適切に配置することで、偏光反射観察が可能となります。
- 適切な対物レンズの選定: 反射光観察に適した対物レンズを選定することが重要です。特に、長作動距離を持つ対物レンズが望ましいです。
注意点と考慮すべきポイント
機能追加に際して、以下の点に注意が必要です。
- 光学系の互換性: S型顕微鏡はオプチフォト世代のCF系レンズを使用しており、後の世代のレンズとの互換性に注意が必要です。特に、CF系レンズは大型化しており、取り扱いに工夫が必要です。
- 機械的な制約: S型顕微鏡はその設計上、後のモデルに比べて機械的な制約があるため、追加する機器のサイズや重量に注意が必要です。
- 部品の入手難易度: 古いモデルであるため、必要な部品の入手が難しい場合があります。ジャンク品の活用や、専門の修理業者への依頼を検討することが推奨されます。
まとめ
ニコンS型顕微鏡に偏光反射機能を追加することは可能ですが、光学系の互換性や機械的な制約、部品の入手難易度など、いくつかの課題があります。これらをクリアすることで、岩石鉱物の薄片観察や金属鉱物の同定など、より多彩な観察が可能となります。機能追加を検討する際は、これらのポイントを考慮し、慎重に計画を立てることが重要です。
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