トリカブト(鳥兜)は、キンポウゲ科に属する有毒植物で、全草にアコニチン系アルカロイドを含んでいます。特に根部(附子)はその毒性が強く、誤って摂取すると重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
トリカブトの毒性と中毒症状
トリカブトの根には、アコニチン、メサコニチン、ヒパコニチンなどのアルカロイドが含まれています。これらの成分は神経系に作用し、摂取後数分から数時間以内に以下のような症状を引き起こすことがあります。
- 口唇や舌のしびれ
- 手足のしびれ
- 嘔吐、下痢
- 不整脈、血圧低下
- けいれん、呼吸不全
- 最悪の場合、死亡に至ることもあります
これらの症状は摂取量や個人の体調によって異なりますが、少量でも致命的な結果を招くことがあります。
誤食の事例とその対応
過去には、山菜と誤認してトリカブトの根を食べてしまい、中毒症状を呈した事例が報告されています。例えば、2019年には北海道で、山中で採取した「コジャク(シャク)」を自宅で調理・喫食し、下痢、嘔吐、血圧低下等の症状を呈した家族がいました。調理品からはトリカブトの毒性成分であるアコニチンが検出され、アコニチンを原因物質とする食中毒と断定されています。
誤食時の対応方法
万が一、トリカブトを摂取してしまった場合、以下の対応が推奨されます。
- 直ちに吐き出す:摂取後すぐであれば、吐き出すことで毒素の吸収を減少させることができます。
- 大量の水分を摂取する:水やお茶、牛乳などを大量に飲むことで、毒素の吸収を遅らせることが期待されます。
- すぐに医療機関を受診する:症状が現れた場合は、速やかに最寄りの病院や救急センターを受診してください。特に、意識障害や呼吸困難などの重篤な症状が現れた場合は、緊急の対応が必要です。
現在、トリカブト中毒に対する特効薬は存在していません。したがって、早期の発見と適切な対応が予後を大きく左右します。
まとめ
トリカブトの根は非常に強い毒性を持ち、誤って摂取すると生命に関わる危険があります。山菜採りの際は、トリカブトと食用の植物を間違えないよう、十分な注意が必要です。特に、若芽や根は見た目が似ているため、誤認しやすいので注意しましょう。


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