高校化学の疑問でよく見かけるのが、「鉛と水素では鉛の方がイオン化傾向が大きいのに、なぜ鉛と希硝酸の反応で水素ではなく二酸化窒素が発生するのか?」という問いです。これは化学反応における反応条件や生成物の特性に関する重要なポイントを含んでいます。
イオン化傾向と化学反応の関係
イオン化傾向が大きい元素は、一般的に水素と反応して水素ガスを発生させます。鉛はそのイオン化傾向が比較的大きいので、単独で水素ガスを発生させると思いがちですが、実際には反応する相手や反応条件によって生成される物質が異なることがあります。
鉛と希硝酸の反応
鉛(Pb)と希硝酸(HNO₃)を反応させると、鉛が酸化されて鉛(Ⅱ)イオン(Pb²⁺)となり、硝酸の酸化作用により二酸化窒素(NO₂)が発生します。これは硝酸の酸化還元反応によって、酸化剤としての働きが強く、酸素を供給するためです。水素ガスの発生が抑制され、代わりに二酸化窒素が生成されるのです。
なぜ水素ではなく二酸化窒素が発生するのか?
希硝酸の酸化性が強いため、鉛が水素を発生させるよりも、酸化還元反応が優先されます。このため、鉛は硝酸の酸化剤として作用し、硝酸の一部が酸化されて二酸化窒素(NO₂)を放出するのです。水素ガス(H₂)は水素化物を形成する際に発生しますが、酸化剤である硝酸が反応することでその生成は抑えられ、代わりに二酸化窒素が発生するのです。
実際の化学反応式
鉛と希硝酸の反応における化学反応式は次のように表されます:
Pb + 4HNO₃ → Pb(NO₃)₂ + 2H₂O + 2NO₂↑。
この反応では、鉛が酸化され、二酸化窒素が発生し、水素ガスは生成されません。
まとめ
鉛と希硝酸の反応において二酸化窒素が発生する理由は、硝酸の酸化性が強いためです。鉛が水素を発生させる代わりに、酸化還元反応が進行し、二酸化窒素が生成されます。この化学反応は、酸化剤の働きがいかに重要であるかを示しており、化学反応のメカニズムを理解するための鍵となるポイントです。


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