線形代数における基底や核の基底の求め方については、多くの学生が困惑する問題の一つです。特に、行列の核を求める際に出てくる基底の値が解答と異なる場合、どこが間違っているのかを理解することが重要です。今回は、質問者が直面しているような、基底の求め方について解説します。
1. 基底と核の基底とは
まず、基底とは、ベクトル空間を生成するために必要な最小のベクトルの集合です。基底に含まれるベクトルたちを使えば、ベクトル空間の中のすべてのベクトルを表現することができます。
次に、核(null space)は、線形写像によってゼロベクトルにマップされるすべてのベクトルの集合です。線形写像の核は、写像がどれほど「情報を消す」かを示しています。核の基底を求めるということは、この「情報を消す」ベクトルの集合を特定することを意味します。
2. 問題の理解
質問者が示している行列の問題は、次のような行列に基づいています:
1 2 3 4
1 1 1 -3
2 3 4 2
この行列は、線形写像の表現行列として与えられており、この行列の核の基底を求める問題です。核の基底を求めるためには、まずこの行列の解空間(または零空間)を求め、そこから基底を抽出する必要があります。
3. 解法のステップ
まず、行列の核を求めるには、この行列の零空間を求めます。これは、行列の各列に対応する線形方程式を解くことで、解ベクトル(つまり核の基底)を得る作業です。具体的には、次のように行列を置き換えて、連立方程式を解きます。
行列を次の形にすることで、各変数に対する解が求められます。その後、得られた解から線形独立なベクトルを抽出することで、核の基底が得られます。
4. 解答と解説の相違
質問者が得た基底は、次のようなベクトルです:
1
-2
1
0
しかし、解答の基底は次のようになっています:
1
-2
0
1
この違いは、解法過程で得られる自由変数の選び方に関係しています。解答の方が「標準的な」形に整理されているため、若干異なる形で表現されている可能性があります。問題の解法過程において、同じ核の基底を求める方法でも表現が異なることがあるため、どちらの解法も正しいといえるでしょう。
まとめ
核の基底を求める問題は、線形写像の零空間を理解し、行列の連立方程式を解く過程が必要です。解答の形が異なる場合でも、最終的に得られる基底が同じであれば、それは正しい解答です。理解を深めるために、いくつかの異なる問題を解いてみることをお勧めします。


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