整数nの平方n²が5の倍数であれば、nは5の倍数であることを証明する問題では、対偶を使った証明の方法が求められます。この記事では、対偶を使った証明とその過程で「nが5の倍数でない時、nは5k±1またはn=5k±2と表せる」という式の意味について詳しく解説します。
対偶の定義と証明方法
命題の対偶とは、命題「AならばB」の逆をとり、またそれを否定したものです。つまり、「AならばB」を証明するために、対偶「BでないならばAでない」を証明する方法です。この方法を使うと、証明が簡単になることがあります。
例えば、「n²が5の倍数であれば、nは5の倍数である」という命題の対偶は、「nが5の倍数でないならば、n²は5の倍数でない」という命題です。この対偶を証明することで、元の命題も証明できます。
nが5の倍数でない時の表現方法
問題の解説にある「nが5の倍数でないとき、nはある整数kを用いてn=5k±1またはn=5k±2と表すことができる」という式は、nが5の倍数でない場合のnの形を表しています。整数nが5の倍数でない場合、nは5で割った余りが1か2か3か4であることが分かります。
この場合、nを5で割った商をkとすると、nは次のように表せます。
- n = 5k + 1
- n = 5k + 2
- n = 5k + 3
- n = 5k + 4
これを簡略化すると、nは5k±1または5k±2という形に表すことができます。この式は、nが5で割り切れない場合に必ず成り立つ形です。
n²の5の倍数でないことの証明
次に、nが5の倍数でない場合、n²が5の倍数でないことを証明します。nが5の倍数でない場合、nは5k+1、5k+2、5k+3、または5k+4のいずれかの形をしています。
これらをn²に代入して、n²が5の倍数でないことを示します。
- n = 5k + 1 の場合、n² = (5k + 1)² = 25k² + 10k + 1 となり、5の倍数でない。
- n = 5k + 2 の場合、n² = (5k + 2)² = 25k² + 20k + 4 となり、5の倍数でない。
- n = 5k + 3 の場合、n² = (5k + 3)² = 25k² + 30k + 9 となり、5の倍数でない。
- n = 5k + 4 の場合、n² = (5k + 4)² = 25k² + 40k + 16 となり、5の倍数でない。
どの場合もn²は5の倍数にはなりません。このため、nが5の倍数でないならば、n²も5の倍数でないことが証明できました。
まとめ
整数nに関する命題「n²が5の倍数ならば、nは5の倍数である」の対偶を使って証明する方法について解説しました。nが5の倍数でない場合、nは5k±1または5k±2の形を取ることができ、n²も5の倍数にはならないことが確認できました。この方法を理解することで、数学的な証明がより簡単に進められるようになります。
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