QCストーリーにおける「なぜなぜ分析」の実践：設備の問題に対するアプローチ

QCストーリーの「なぜなぜ分析」は、問題の根本原因を特定するための非常に有効な手法です。今回は、設備の問題についての「なぜなぜ分析」を実際に行い、どのように問題解決へと導くかを解説します。具体的な問題を取り上げ、分析してみましょう。

問題1：設備のコンセントが遠く、コードが扉に挟まれている

まず、設備のコンセントが近くに電源がないため、扉の反対側からコードを引っ張ってきているという問題を分析します。この状況では、安全性や使い勝手に関する懸念が生じます。

「なぜ扉にコードを挟んでいるのか？」という問いから、以下のように分析を進めていきます。

電源が設備の近くにないため、コードを引っ張らなければならないという現象が起こります。ここで「なぜ電源が近くにないのか？」を掘り下げます。

設備の配置が電源と離れている場合、コードが長くなり、最終的に扉に挟まれるという問題が発生します。設備の配置変更や電源の位置を見直すことで、問題を解決できる可能性があります。

設備の設計時に、電源位置が十分に考慮されていないことが根本的な原因です。これにより、後から追加でコードを引っ張る必要が出てきてしまっています。

次に、物の置き場がなく、少し高さのある設備の上に物が置かれているという問題を分析します。物の管理や整理が不十分な場合、作業環境が効率的に保たれません。

「なぜ物が設備の上に置かれているのか？」という問いを通じて、以下のように分析を進めます。

物を置くためのスペースが不足しているため、やむを得ず設備の上に置くことになります。ここで「なぜ置き場が不足しているのか？」をさらに深掘りします。

設備の周囲に物を収納するためのスペースや棚が設置されていないため、物が置かれる場所が限られています。適切な収納場所を作ることで、この問題は解決できます。

整理整頓のための明確なルールやシステムがないため、物をどこに置けばよいのかが決まっていません。ルールを作り、物の管理方法を見直すことで、物の置き場の問題は解消できるでしょう。

今回の「なぜなぜ分析」を通じて、設備の問題の根本原因に迫りました。設備の配置や設計段階での見直し、また整理整頓のルールを作ることで、問題を解決するための方向性が見えてきました。QCストーリーの「なぜなぜ分析」は、このように問題の深層にアプローチするための非常に有効な手法です。