電気火災の定義とアーク火災に関する理解

工場での電気主任技術者として、消火器の選定は重要な役割を果たします。特に電気火災に対する理解を深めることは、安全管理の基盤です。ここでは、電気火災の定義について解説します。

1. 電気火災とは？

電気火災（C火災）は、電気機器や配線、電線など、電気が関わる設備から発生した火災を指します。この種の火災は、通常の火災と異なり、電気的な原因で発生します。例えば、過熱や短絡によって火花が発生し、その火花が可燃物に引火することがあります。

アーク（電気的アーク）が発生する場合、特に注意が必要です。アークが可燃物に接触すると、その部分が急激に燃焼を始めることがあります。しかし、アーク自体が発火の原因となるわけではなく、あくまでその火花や熱が引火源となります。

アークが可燃物に引火する場合、その火災は「普通火災」として分類されます。アークによる火災は、電気機器が原因であるとはいえ、燃え広がる材料が通常の可燃物であるため、A火災（普通火災）として扱われます。

したがって、アークによる火災は、通常の燃焼と同じ火災として消火するための設備を準備することが求められます。しかし、アークを発生させる機器自体に関しては、専門的な消火設備や方法が必要です。

電気火災には、通常の消火器ではなく、電気火災専用の消火器を使用することが推奨されます。水や泡タイプの消火器は、電気設備をショートさせる危険があるため、使用しないように注意が必要です。

電気火災専用の消火器には、乾燥粉末や二酸化炭素（CO2）が効果的です。これらは電気設備に対する影響を最小限に抑え、火災を安全に消火することができます。

電気火災において、アークが可燃物に引火した場合、その火災は「普通火災」として分類されます。従って、消火器の選定は、その火災の特性に応じて行う必要があります。また、電気機器に関する火災は専門的な知識と消火方法を要するため、適切な設備と対応が求められます。