非接触型温度計は物体から放射される赤外線を測定することで温度を計測しますが、ガラス越しに測定できない理由について詳しく解説します。
1. 赤外線とは
赤外線は物体が発する熱エネルギーの一部で、目に見えない波長の光として放射されます。物体の温度が高いほど、赤外線の放射量も増えます。非接触型温度計はこの赤外線をキャッチし、その強さから温度を算出します。
2. ガラスの影響
ガラスは特定の波長の光、特に赤外線を反射・吸収する特性を持っています。このため、ガラス越しに物体の赤外線を測定すると、ガラス自身から放射される赤外線と混ざり、実際の物体の温度を正確に計測することができなくなります。
3. なぜ「ガラスから出る赤外線を測ってしまうから」ではダメなのか
「ガラスから出る赤外線を測ってしまうから」という説明も一部正しいのですが、ガラスが赤外線を吸収し反射する性質が大きな要因です。もしガラスが完全に透明であっても、赤外線の反射や吸収の影響を避けることができません。温度計はガラスの影響を避けることができないため、正確な測定ができないのです。
4. 正しい測定方法
ガラス越しに温度を測定する場合、温度計のセンサー部分をガラスから離して使用したり、ガラスを取り除いてから測定を行うのが最も正確な方法です。そうすることで、物体から放射される赤外線を直接測定することができます。
5. まとめ
非接触型温度計がガラス越しに測定できない理由は、ガラスが赤外線を吸収・反射する特性にあります。このため、物体の温度を正確に計測するにはガラスを避ける必要があります。
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