今回は、土佐日記に登場する「一文字をだに知らぬ者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ」という部分について解説します。
「一文字をだに知らぬ者」とは
まず、「一文字をだに知らぬ者」とは、文字を一つも知らない人物を指しています。この表現は、学びが不十分であることを示唆しています。ここでの「一文字」とは、文字を書くことができるという意味ではなく、基本的な知識が欠けている状態を表す比喩的な表現です。
「足は十文字に踏みてぞ遊ぶ」の意味
次に「足は十文字に踏みてぞ遊ぶ」ですが、これは、足の動きを表しており、十文字に踏むというのは、酔って不安定に歩いている様子を指します。この部分では、酔った状態で無理に歩くことを描写しています。「遊ぶ」というのは、軽い意味で使われ、無駄な動きや遊びのような行動を示しています。
現代語訳について
現代語訳についてですが、「1という文字すら知らない者が、足を10字にして酔っ払っている」という訳は適切です。「足を10字にして遊ぶ」という表現は、酔っ払ってふらふら歩く姿を意味し、現代語としては理解しやすいものです。
「10という文字を使って遊ぶ」との違い
「1という文字すら知らない者が、10という文字を使って遊んでいる」という訳も一見意味が通じるように思えますが、この訳では「足を10字にして歩く」という比喩の意味がうまく伝わりません。ここで重要なのは「足を10文字に踏みて」という動作が、文字を使うことではなく、歩く姿を表している点です。
まとめ
「一文字をだに知らぬ者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ」という部分は、学問を知らない者が酔っ払ってふらふら歩く様子を表しています。現代語訳としては「1という文字すら知らない者が、足を10字にして酔っ払っている」が適切であり、「10という文字を使って遊ぶ」という訳では意味が異なります。
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