四国に生息するツキノワグマは、現在、絶滅の危機に瀕しています。近年の調査によると、四国東部の剣山山系を中心に生息が確認されており、個体数は16〜24頭と推定されています。これは、過去の調査結果と一致しており、個体数の増加は見られません。
例えば、2024年度の調査では、センサーカメラを使用して83地点で調査が行われ、19箇所でツキノワグマの生息が確認されました。識別された個体数は26頭であり、親子が4組確認されました。しかし、これらの個体はすべて剣山山系周辺の地域で確認されており、分布域の拡大は見られません。
また、四国のツキノワグマは、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされています。これは、限られた地域に生息しているため、遺伝的多様性の低下や繁殖の障害など、絶滅のリスクが高いことを示しています。
このような状況を踏まえ、四国のツキノワグマを保護するための取り組みが進められています。例えば、ブナやミズナラなどの広葉樹林の再生や、地域住民との連携による共生の促進などが行われています。
四国のツキノワグマは、絶滅の危機にある貴重な存在です。今後も継続的な調査と保護活動が必要とされています。
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