高次式の因数分解と組立除法の使い方:割る数の決め方と検討方法

数学

高次式の因数分解において、公式が当てはまらない場合には「組立除法」を使う方法が有効です。この記事では、組立除法を使う際に「割る数」をどう決めるかについて詳しく解説します。また、分数や大きな数が含まれる場合の検討方法についても説明します。

組立除法とは?

組立除法は、高次の多項式を因数分解するための手法で、特に公式が適用できない場合に使用されます。与えられた多項式P(a)に対して、P(a) = 0となるような割る数を探し、試行錯誤を繰り返して因数を見つけます。

通常、割る数として小さい整数(1, 2, -1, -2など)を順番に試していきますが、分数や大きな数の場合はどうやって適切な割る数を選べば良いのでしょうか?

割る数を決める方法

割る数を選ぶ方法にはいくつかの戦略があります。特に、係数が整数の場合、試行錯誤で割る数を選ぶ際に有効な手法を紹介します。

1. 定理を利用する

まず、因数定理を利用します。因数定理によれば、P(a) = 0となるようなaは、多項式P(x)の因数です。したがって、aが整数の場合は、P(a)がゼロになるような数を探すことが重要です。例えば、定数項の約数や最高次の係数の約数を候補に挙げてみます。

2. 小さい整数から順番に試す

整数の場合は、通常、小さい整数(±1, ±2, ±3…)から順番に試していきます。これによって、P(a) = 0となるようなaを見つけることができます。例えば、P(x) = x^3 – 6x^2 + 11x – 6の場合、x = 1, 2, 3を順番に試してみると、x = 1がP(1) = 0となることが分かります。

分数や大きな数の場合の割る数の決め方

分数や大きな数が含まれる場合は、少し工夫が必要です。

1. 有理数の候補を探す

分数の場合は、有理数の候補を試す方法が有効です。たとえば、P(x)の定数項と最高次の項の係数から、有理数の候補を求めることができます。これは、有理数の因数定理に基づく方法です。

2. 素因数分解を活用する

大きな数が含まれる場合、数の素因数分解を行うことが有効です。多項式の係数が大きい場合でも、その数を素因数分解することで、割る数を絞り込むことができます。特に、定数項や係数の素因数を利用することで、割る数を効率的に見つけることができます。

組立除法の実際の使い方

実際に組立除法を使ってみましょう。例えば、P(x) = x^3 – 6x^2 + 11x – 6の場合、x = 1, 2, 3などを順番に試して、P(a) = 0となるaを見つけると、x = 1が最初に得られる解になります。次に、x – 1で割り、商を求めると、因数分解が進みます。

まとめ

高次式の因数分解では、組立除法を使うことで解の候補を絞り込み、因数分解を進めることができます。割る数を決めるためには、整数や分数、場合によっては素因数分解を活用する方法が有効です。これらの手法を組み合わせることで、より効率的に因数分解を行うことができます。

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