高校化学の問題で、尿素(CO(NH2)2)を水に溶かした際の沸点上昇を求める問題があります。この問題を解くためには、沸点上昇の計算式を理解し、適切に適用する必要があります。この記事では、問題の解法を詳細に解説します。
1. 沸点上昇の基本的な概念
沸点上昇は、溶質を溶媒に溶かすことによって、溶液の沸点が上昇する現象です。これを求めるために使う式は以下のようになります。
ΔT_b = K_b × m × i
ここで、ΔT_bは沸点上昇、K_bは溶媒(水)のモル沸点上昇定数、mは溶質のモル濃度、iは溶質のイオン生成数です。この式を用いて沸点上昇を計算することができます。
2. 与えられたデータの整理
問題のデータから、必要な情報を整理しましょう。
- 尿素の質量:6.0g
- 水の質量:500g
- 水のモル沸点上昇定数(K_b):0.52 K·kg/mol
- 尿素の分子量:60 g/mol
この情報を元に、モル濃度を求め、沸点上昇を計算していきます。
3. モル濃度の計算
まず、尿素のモル数を求めます。
尿素のモル数 = 質量 / 分子量 = 6.0g / 60 g/mol = 0.1 mol
次に、モル濃度を求めるために、水の質量をキログラム単位に変換します。
水の質量 = 500g = 0.5 kg
モル濃度 m = 尿素のモル数 / 水の質量 = 0.1 mol / 0.5 kg = 0.2 mol/kg
4. 沸点上昇の計算
沸点上昇 ΔT_b は以下の式で求めます。
ΔT_b = K_b × m × i
尿素は電解質ではないため、i(イオン生成数)は1です。
ΔT_b = 0.52 K·kg/mol × 0.2 mol/kg × 1 = 0.104 K
したがって、沸点上昇は0.104 Kとなります。
5. 最終的な沸点の計算
水の沸点は100℃であり、沸点上昇が0.104℃であるため、最終的な沸点は以下のように計算できます。
最終的な沸点 = 100℃ + 0.104℃ = 100.104℃
6. まとめ
尿素の水溶液の沸点上昇を求めるためには、沸点上昇の計算式を正しく適用することが重要です。与えられたデータを使ってモル数、モル濃度を計算し、その後、沸点上昇を求めました。結果として、沸点は100.104℃となります。このように、問題において求められる沸点上昇を計算する手順を理解することで、化学の問題に対する対応力が高まります。
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