古文の助動詞には多くの種類があり、それぞれに異なる意味や活用形があります。この記事では、実際の文中で使われる助動詞について、意味と活用形を解説します。各例文を通じて、助動詞の使い方を理解していきましょう。
(1)助動詞「せ」の意味と活用形
「せ」の意味は、「使役」の意味を持ち、動作を他者にさせることを表します。活用形は、「せ」→「せ」「し」「す」「する」「すれ」「せよ」と変化します。この文中では、「作らせたまへりける」が使われており、これは「作る」を使役形にして「他人に作らせた」という意味です。
例文:この大臣の作らせたまへりける詩を帝かしこく感じたまひて、
(2)助動詞「さす」の意味と活用形
「さす」の意味は、使役を表す動詞で、「させる」と同じく「他者に何かをさせる」という意味です。活用形は、「さす」→「させ」「さす」「さす」「させ」「させよ」などがあります。
例文:源氏三十路騎を出だいて射さすれば、平家三十騎を出だいて三十の鏑を射返す。
(3)助動詞「しむる」の意味と活用形
「しむる」の意味は、使役の意味を持ち、「他者に~させる」といった意味になります。活用形は、「しむ」→「しむ」「しめ」「しめ」「しむれ」などです。
例文:おろかなる人の目をよろこばしむる楽しみ、またあぢきなし。
(4)助動詞「させ」の意味と活用形
「させ」の意味は、使役を表すもので、「~させる」という使役の意味を持ちます。この活用形は、命令形や過去形で使用されることがあります。
例文:「この十五日は、人々賜りはりて、月の都の人まうで来ば捕らへさせん。」
(5)助動詞「せ」の意味と活用形(再登場)
「せ」の使役の意味は再度登場します。ここでは、「作らせる」という使役の意味を持ちます。
例文:(茶は)大臣、上達部を召して、「いづれの山か天に近き」と問は出たまふ。
(6)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(出づ)
「出づ」の形は、「出だす」や「出でる」などが適切です。この場合、「出づさせおはしまして」と直せます。
(7)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(笑ふ、す)
「笑ふ」と「す」は、古文で頻繁に使われる動詞と助動詞です。「笑ふ」は現在の「笑う」や「ほほえむ」の意味です。「す」は「する」の意味で、動作の実行を表します。
例文:御簾を高く上げたれば、笑ふす給ふ。
(8)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(作る、しむ)
「作る」と「しむ」は、意味としては「作る」と「作らせる」という意味です。
例文:仏師らを供養して、わが像を作るしむたり。
(9)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(もとむ、さす)
「もとむ」と「さす」は、それぞれ「求める」と「させる」という意味です。
例文:山々に人をやりつっもとむさすど、さらになし。
(10)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(聞く、す)
「聞く」と「す」の意味は、それぞれ「聞く」と「する」です。
例文:おのれ、数へ子どものために、早くよりこの物語を読み説きて聞くすこと、あまたかへりになりぬるを、
(11)【】内の動詞・助動詞を適当な形に直す(結ぶ、しむ)
「結ぶ」と「しむ」は、「結びつける」と「させる」の意味です。
例文:額に阿字を書きて、緑を結ぶしむわざをなんせられける。
まとめ
古文における助動詞は、非常に多くの意味を持ち、活用形も複雑です。この記事で取り上げた助動詞の意味と活用形を理解することで、古文をより深く読み解くことができます。助動詞を正しく理解し、適切に活用することは、古文を学ぶ上で重要な要素です。
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