人間の行動には内発的動機づけ(内的報酬に基づく)と外発的動機づけ(外的報酬に基づく)の二つの大きな動機づけの源があります。今回は、特にアンダーマイニング効果について、企業での評価制度や目標設定がどのように影響を与えるかについて解説します。
内発的動機づけと外発的動機づけとは
内発的動機づけは、自己満足や成長、興味・好奇心から生まれる動機づけです。例えば、自分が興味を持つ活動を楽しんで行うことです。一方、外発的動機づけは、報酬や評価、外部からの承認に基づいて行動することを指します。例えば、仕事での昇進や賞金を得るために行動することが挙げられます。
アンダーマイニング効果とは
アンダーマイニング効果とは、外発的報酬が内発的動機づけを弱める現象を指します。例えば、好きなことをしているときに報酬を与えられると、最初は楽しんでいた活動が報酬目的に変わり、結果的にその活動への内発的動機が減少することがあります。
会社の目標設定と評価制度が内発的動機づけに与える影響
企業での目標設定や評価制度は、外発的動機づけを強化する要因となることがあります。給与や昇進、評価のために目標を達成しようとする場合、元々その仕事を楽しんでいた場合でも、その楽しさが薄れてしまうことがあります。このような状況では、アンダーマイニング効果が働き、内発的動機が減少し、仕事への関心が低下する可能性があります。
内発的動機づけを維持するためには
内発的動機を維持するためには、目標設定や評価が報酬だけに依存しないように工夫することが重要です。例えば、自己成長や学びの機会を提供することで、外的報酬が少なくても活動への内的な満足感を得られるようにすることができます。また、仕事が社会的に価値があるものであると感じられる場合、その意味や目的に基づく動機づけが強化され、アンダーマイニング効果を避けることができます。
まとめ
内発的動機づけと外発的動機づけは、私たちの行動の源泉です。アンダーマイニング効果は、外的報酬が内発的動機を弱める可能性があることを示しています。企業の目標設定や評価制度が内発的動機に与える影響を理解し、適切なバランスを取ることが、従業員のモチベーションを高めるためには重要です。内発的な満足感と成長を重視し、外的報酬がそれを補完するような制度設計が求められます。


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