ダイナミックマイクとイコライザーの関係|なぜイコライザーが不要なのか

工学

ダイナミックマイクの特性や、MM(Moving Magnet)やMC(Moving Coil)カートリッジにおけるイコライザーの必要性についての疑問は、音響技術において非常に興味深い問題です。質問にあるように、ダイナミックマイクは基本的にMMやMCカートリッジと同様に速度比例型の変換を行いますが、なぜダイナミックマイクではイコライザーが不要なのかを考察します。

ダイナミックマイクの基本構造

ダイナミックマイクは、マイク内部における音波の振動を電気信号に変換する装置であり、その動作原理は速度比例型です。音波がマイクのダイアフラム(振動板)に当たると、ダイアフラムが振動し、その振動がコイルを通過することにより電気信号が発生します。この信号は音波の振幅に比例しており、特に低域と高域に関して特性が変化します。

MM/MCカートリッジのイコライザーとダイナミックマイク

MMやMCカートリッジでは、音楽のレコードプレーヤーで使用されるため、特に周波数特性を補正するためのイコライザー回路が必要です。これらのカートリッジは、出力信号が速度比例型であるため、レコードの録音時に低域が強調され、高域が減衰する特性を持っています。このため、イコライザー回路を使用して、録音と再生のバランスを取る必要があります。

ダイナミックマイクにイコライザーが不要な理由

一方で、ダイナミックマイクは通常、録音された音声をそのまま電気信号に変換するため、レコードのような補正は必要ありません。ダイナミックマイクの特性は、録音された音源の特性に合わせて作られており、音楽の録音時に行った補正と一致しているため、イコライザーで補正する必要がないのです。特に、ダイナミックマイクは音源の周波数特性を忠実に再現する設計がされているため、外部で補正を加えることは一般的に不要です。

レコードの録音とイコライザー

レコードにおける録音プロセスでは、低域を定振幅、中域を定速度、高域を低振幅で録音する特性があります。このため、速度比例型の変換を行うMMやMCカートリッジでは、録音時に生じる特性の違いを補正するためにイコライザーが必要です。しかし、ダイナミックマイクはこのような補正を必要とせず、特に録音機器と一致した特性で音声を再現します。

まとめ

ダイナミックマイクは、MMやMCカートリッジと同様に速度比例型の変換を行っていますが、レコードでの録音プロセスや音響機器との整合性のため、イコライザーが不要となります。ダイナミックマイクは、音源の周波数特性を忠実に再現するため、特別な補正回路を必要としないのです。したがって、MMやMCカートリッジのようにイコライザーを使用する必要がないというのが、その理論的背景となります。

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