過酸化水素水の濃度を求めるための滴定法について、問題を例にとって解説します。今回は、ヨウ化カリウム(KI)を使ってヨウ素を生成し、それをチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)で滴定する方法です。問題文のデータを使って、過酸化水素水の濃度を計算してみましょう。
問題の内容と与えられた情報
問題では、10.0mLの過酸化水素水にヨウ化カリウム(KI)を加えてヨウ素を生成させ、その後0.010mol/Lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)水溶液で滴定しています。滴定に必要なチオ硫酸ナトリウムの量は15.0mLでした。過酸化水素水の濃度を求めるには、この情報を基に計算を行います。
反応式とモル比の確認
反応式は次のようになります。
2KI + H2O2 → I2 + 2H2O + 2KOH
ここで、過酸化水素水(H2O2)がヨウ化カリウム(KI)と反応してヨウ素(I2)を生成します。チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)でヨウ素を還元する反応は次のように表されます。
I2 + 2Na2S2O3 → 2NaI + Na2S4O6
反応において、ヨウ素1molがチオ硫酸ナトリウム2molと反応します。これに基づいて、滴定に必要なチオ硫酸ナトリウムの量を使って過酸化水素水のモル数を求めます。
過酸化水素水の濃度の計算
チオ硫酸ナトリウムのモル数は次のように計算できます。
モル数 = 濃度 × 体積 = 0.010 mol/L × 15.0 mL × (1 L / 1000 mL) = 0.00015 mol
次に、反応式に基づいてヨウ素のモル数を求めます。ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムのモル比は1:2なので、ヨウ素のモル数は0.000075 molです。
過酸化水素水のモル数は、反応式に基づいてヨウ素のモル数と同じであるため、過酸化水素水のモル数は0.000075 molです。
過酸化水素水の濃度の求め方
過酸化水素水の濃度は次のように求めます。
濃度 = モル数 ÷ 体積 = 0.000075 mol ÷ 0.010 L = 7.5 × 10^-3 mol/L
したがって、過酸化水素水の濃度は7.5 × 10^-3 mol/Lであることがわかります。
まとめ:滴定法による過酸化水素水の濃度計算
今回の問題では、滴定法を用いて過酸化水素水の濃度を求めました。反応式とモル比をしっかりと理解し、計算を進めることで正確な濃度を求めることができます。今後も化学の問題を解く際には、このような方法を活用していきましょう。
 
  
  
  
  

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