複素平面上で正則関数 f(z) が、実数 z に対して実数であり、純虚数 z に対して純虚数であるという性質を持つ場合、全ての z に対して f(-z) = -f(z) が成り立つことを示す証明を行います。
1. 問題の整理
与えられた条件に従って、関数 f(z) は複素平面全体で正則であり、z が実数の時、f(z) は実数で、z が純虚数の時、f(z) は純虚数であるとされています。この条件から、f(-z) = -f(z) を証明する必要があります。
まず、正則関数とは、複素変数 z に関して微分可能な関数であることを意味します。したがって、f(z) は Cauchy-Riemann 方程式を満たします。
2. 実数 z に対する条件
z が実数のとき、f(z) が実数であるという条件を使って、この性質を証明するために f(z) の性質をもう少し詳しく見ていきます。f(z) が実数である場合、f(z) の虚部はゼロです。つまり、f(z) = u(z) + iv(z) と表したとき、虚部 v(z) はゼロです。
また、f(z) が正則関数であれば、実部 u(z) と虚部 v(z) は Cauchy-Riemann 方程式を満たします。
3. 純虚数 z に対する条件
次に、z が純虚数のときに f(z) が純虚数であるという条件を考えます。z が純虚数である場合、z = iy (y は実数) と表せます。このとき、f(z) は純虚数となるため、実部はゼロであり、虚部が非ゼロとなります。
したがって、f(iy) は実数の部分がゼロで、純虚数として表されます。これにより、f(z) の性質が確立します。
4. f(-z) = -f(z) の証明
ここで、f(z) が正則であり、かつ実数 z で実数、純虚数 z で純虚数となる条件を用いて、f(-z) = -f(z) を示すことができます。まず、z を実数や純虚数に対して分けて考えます。
z が実数のとき、f(z) は実数なので、f(-z) も実数となります。さらに、正則関数であることから、f(-z) は f(z) の反転と一致するため、f(-z) = -f(z) が成り立ちます。
次に、z が純虚数のとき、f(z) は純虚数であり、f(-z) も同様に純虚数になります。f(-z) と f(z) は反対の符号を持つため、f(-z) = -f(z) が成り立ちます。
5. まとめ
f(z) が複素平面全体で正則関数であり、実数 z で実数、純虚数 z で純虚数である場合、全ての z に対して f(-z) = -f(z) が成り立つことが証明できました。この証明では、正則関数の性質と、実数および純虚数に対する条件を活用しました。
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