「永遠不滅のアートマン」とは、インド哲学やヒンドゥー教における概念であり、宇宙の本質的な存在、自己の真実の姿を示しています。この質問に関しては、時間や存在に対する理解が異なるため、哲学的な視点から掘り下げて考えることが重要です。
アートマンと宇宙の誕生
アートマンは「永遠不滅」とされていますが、これを理解するためにはまず、宇宙の起源に関する考え方を考える必要があります。私たちが知る限り、宇宙はおよそ138億年前にビッグバンによって誕生したとされています。これは物理的な宇宙の時間の始まりを意味します。しかし、アートマンは物理的な時間や空間とは異なるものとして捉えられます。
ヒンドゥー哲学では、アートマンは宇宙の創造とは別の領域に存在する「永遠の存在」として理解されており、物理的時間に縛られることはありません。つまり、アートマンは138億年前のビッグバン以前から存在していたと考えられます。
時間の枠を超越したアートマン
「アートマンは永遠不滅だから、今から138億年前の時点でもすでに存在していた」という見解がより一般的です。アートマンは、時間や空間の枠を超えた存在であり、物理的な宇宙の誕生とは無関係に存在し続けます。これは、アートマンが個々の存在の「本質」であり、物理的現象とは異なる次元で存在しているためです。
この視点において、アートマンは単なる生物学的存在の一部ではなく、宇宙の本質そのものであり、私たちが理解する時間や空間の概念を超越して存在し続けるものとされています。
アートマンの哲学的理解
アートマンの理解は、ヒンドゥー教や仏教、さらにはインド哲学において多くの議論がなされてきました。アートマンは「自己」や「魂」といった言葉と結びつけられることが多いですが、その根底にあるのは、物理的な世界を超越した「真実の自己」です。つまり、アートマンは不滅であり、死や時間の経過によって影響を受けることはありません。
これに対して、現代の物理学では時間と空間は密接に関連しており、ビッグバン以前の存在について科学的に証明することは難しいです。アートマンの概念は、こうした物理的枠組みを超越するものとして理解されており、哲学や宗教の領域で語られます。
まとめ
「永遠不滅のアートマン」が138億年前に誕生したのか、すでにその時点で存在していたのかという疑問については、物理的な時間の枠を超えて存在するアートマンの概念を理解することが重要です。アートマンは物理的宇宙の誕生に縛られず、時間を超越した「真実の自己」として、常に存在し続けるとされています。このようにアートマンの理解には、科学的な時間の枠組みを超える哲学的な視点が求められます。


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