合成RNAの塩基配列を3つずつ区切る場合、その始まりの位置については、基本的にRNAの翻訳開始点である「コドン(開始コドン)」から区切り始めます。なぜなら、翻訳はこのコドンから始まるからです。ここでは、この区切り方の背景とその理由について詳しく解説します。
1. RNAの翻訳開始点とコドン
RNAの翻訳は、mRNAの中にある特定の配列、すなわち「開始コドン」から始まります。一般的に、開始コドンは「AUG」と呼ばれる3つの塩基から成り、これは翻訳のスタート信号となります。この開始コドンが見つかった場所から、次の3つずつの塩基(コドン)を翻訳していきます。
例えば、mRNAの配列が「5′-AUG GCU UAA-3’」であれば、「AUG」が開始コドンとして翻訳が始まり、次に「GCU」や「UAA」などのコドンが続きます。
2. コドンの重要性
コドンは、アミノ酸を指定する重要な単位です。3つの塩基で1つのアミノ酸を指定するため、mRNAの配列を3つずつ区切ることが翻訳の基盤となります。翻訳開始点から3つずつ区切っていく理由は、このコドンが正確に解読されるために不可欠です。
もし、塩基を任意の位置で区切ると、翻訳がずれて正しいアミノ酸配列が作られません。そのため、コドンの開始点から区切ることが、正確なタンパク質合成のために必要不可欠なのです。
3. コドンの開始点を間違えると何が起こるのか?
コドンの開始位置がずれると、後のアミノ酸がすべて間違った順番で翻訳され、誤ったタンパク質が合成される可能性があります。この誤翻訳が生じると、細胞内で機能しないタンパク質ができてしまい、結果として細胞が正常に機能しなくなる恐れがあります。
また、mRNAの中には「終止コドン」も存在します。これは翻訳が終了する信号を示すもので、この終止コドンも3つの塩基で構成されています。終了位置が正確でないと、タンパク質の合成が途中で止まってしまうため、コドンの区切り方は非常に重要です。
4. まとめ
合成RNAの塩基配列を3つずつ区切る際、最初に区切る位置は翻訳開始点である「開始コドン」からです。コドンは翻訳の基本単位であり、3つの塩基が1つのアミノ酸を指定するため、開始点から正確に区切ることが翻訳の精度を保つために不可欠です。誤った区切り方をすると、タンパク質が正しく合成されず、細胞にとって有害な影響を与えることになります。


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