この問題では、0 ≦ θ ≦ π の範囲で、y = sin(θ + π/6) + sin(θ + π/3) の最大値と最小値を求め、さらにそのときのθの値を求める方法を解説します。三角関数を使った問題であり、加法定理や合成関数の知識が役立ちます。
1. 問題の整理と三角関数の合成
まず、与えられた式 y = sin(θ + π/6) + sin(θ + π/3) を簡略化するために、三角関数の加法定理を用います。加法定理によれば、sin(A + B) = sin(A)cos(B) + cos(A)sin(B) という式を使って、式を展開できます。
この場合、次のように展開できます。
- sin(θ + π/6) = sin(θ)cos(π/6) + cos(θ)sin(π/6)
- sin(θ + π/3) = sin(θ)cos(π/3) + cos(θ)sin(π/3)
これにより、式を展開して簡略化します。
2. 代入と簡略化
cos(π/6) = √3/2, sin(π/6) = 1/2, cos(π/3) = 1/2, sin(π/3) = √3/2 を代入すると、次のようになります。
y = sin(θ)(√3/2 + 1/2) + cos(θ)(1/2 + √3/2)
この式をさらに整理すると、y = (√3 + 1)/2 * sin(θ) + (1 + √3)/2 * cos(θ) となります。
3. 合成三角関数の形に変形
次に、yを合成三角関数の形に変換します。一般的に、a sin(θ) + b cos(θ) の形は、R sin(θ + φ) の形に変換することができます。ここで、R は次のように求めます。
R = √(a² + b²)
ここで、a = (√3 + 1)/2, b = (1 + √3)/2 として計算します。
R = √((√3 + 1)²/4 + (1 + √3)²/4) = √(2 + 2√3) = 2
これにより、y = 2 sin(θ + φ) の形になります。
4. 最大値と最小値を求める
y = 2 sin(θ + φ) の最大値と最小値は、sin(θ + φ) の最大値と最小値に依存します。sin(θ + φ) の最大値は 1、最小値は -1 です。したがって、y の最大値と最小値は次のようになります。
- 最大値:y = 2 × 1 = 2
- 最小値:y = 2 × (-1) = -2
そのため、y の最大値は 2、最小値は -2 です。
5. 最大値と最小値のときのθの値
y の最大値が 2 となるのは、sin(θ + φ) = 1 のときです。これを満たすθの値は。
θ + φ = π/2 となるとき、つまり θ = π/2 – φ です。
また、y の最小値が -2 となるのは、sin(θ + φ) = -1 のときです。これを満たすθの値は。
θ + φ = 3π/2 となるとき、つまり θ = 3π/2 – φ です。
まとめ
この問題では、与えられた式 y = sin(θ + π/6) + sin(θ + π/3) の最大値と最小値を求め、さらにそのときのθの値を求めました。結果として、最大値は 2、最小値は -2 であり、そのときのθの値はそれぞれ θ = π/2 – φ と θ = 3π/2 – φ です。


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