なぜ虹は上が赤で下が紫に見えるのか？光の屈折と分散の仕組み

虹が空に現れるとき、上側が赤く、下側が紫に見える理由は、光の屈折と分散に関係があります。この記事では、虹の色がどのようにして分かれ、なぜそのような順番で現れるのかを物理的な視点から解説します。

虹の形成と光の屈折

虹が現れるのは、太陽の光が空気中の水滴に当たり、屈折・反射・分散することによってです。太陽光は白色光で、さまざまな色が含まれています。水滴が光を屈折させると、光はその波長によって異なる角度で曲がるため、色が分かれます。この現象を「分散」といいます。

水滴の中で光が屈折し、反射して再び水滴から出るとき、色の違いが広がり、虹の色の帯が現れます。光の波長が長いほど、屈折角度が小さく、短いほど大きく屈折します。

太陽光の中で、赤い光は波長が長く、紫の光は波長が短いため、屈折角度が異なります。赤い光は屈折が少なく、虹の上の部分に位置し、紫の光は屈折が大きく、虹の下の部分に位置します。

このため、虹が空に現れるとき、上側に赤色が、下側に紫色が現れるのです。虹はその構成要素である光が、屈折を経て色を分けられる結果として、上が赤、下が紫の順番で並ぶことになります。

虹に現れる色は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順番です。これは、波長が長い赤色が最も屈折しにくく、波長が短い紫色が最も屈折しやすいためです。この順番は、光が水滴の中でどのように分散し、屈折するかに依存しています。

具体的に言うと、赤い光の波長は約620〜750ナノメートル、紫の光は約380〜450ナノメートルです。この違いにより、光が水滴を通過する際に異なる角度で屈折し、色が分かれるのです。

虹が上が赤で下が紫に見えるのは、光の屈折と分散による現象です。光の波長が長いほど屈折が少なく、波長が短いほど屈折が大きいことから、虹は赤が上、紫が下の順番で現れます。この物理的な原理を理解すると、虹の美しさとその科学的な仕組みがより深く感じられるでしょう。