不定積分を解く際には、さまざまな手法が使われます。特に、複雑な分数式の積分では部分分数分解が有効です。本記事では、積分 ∫(x−1)/(x²+2x+2)² dx の解法を、部分分数分解を使って詳しく解説します。
問題の整理
まず、積分を解く前に問題を整理しましょう。与えられた式は次のようになります。
∫(x−1)/(x²+2x+2)² dx
分母の x²+2x+2 は平方完成すると (x+1)²+1 となり、複雑に見えるかもしれませんが、部分分数分解の手法を使うことで解決できます。
部分分数分解の手順
部分分数分解を使う前に、分母の因数分解を行います。まず、x²+2x+2 の平方完成を行い、(x+1)²+1 とします。この式の特徴を生かし、適切な形で分数式を分解していきます。
次に、(x−1)/(x²+2x+2)² を分解します。分母が二次式の2乗なので、分子を次のように分解します。
(x−1)/(x²+2x+2)² = A/(x²+2x+2) + B/(x²+2x+2)²
定数 A と B の求め方
部分分数分解で必要となる定数 A と B を求めるためには、分子の係数を一致させる必要があります。まず、両辺を (x²+2x+2)² で掛け算して、分子の形式を比較します。
得られる式を整理すると、A と B の値が求まります。計算を行うことで、定数 A と B の値はそれぞれ次のようになります。
A = 0, B = 1
積分の計算
定数が求まったら、次はそれぞれの部分分数を積分します。まず、A = 0 なので、A の項は消えます。残りの項は B/(x²+2x+2)² となり、この積分を行います。
積分結果は以下のようになります。
∫B/(x²+2x+2)² dx = (1/2) * [(x+1)/(x²+2x+2)]
最終的な解
上記の計算結果を組み合わせると、最終的な積分結果が得られます。
積分の答えは次のようになります。
∫(x−1)/(x²+2x+2)² dx = (1/2) * [(x+1)/(x²+2x+2)] + C
まとめ
今回の積分問題では、部分分数分解を使って解を求めました。まず、分母の二次式を平方完成し、部分分数分解を適用することで計算を簡単にしました。最終的に、積分結果はシンプルな形になり、解法が完了しました。部分分数分解はこのように積分の難易度を下げる強力な手法です。
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