ボイジャー探査機は太陽を撮影したのか?地球との違いとその理由

天文、宇宙

NASAのボイジャー探査機は、1977年に打ち上げられて以来、人類が到達した中で最も遠い宇宙探査機として知られています。特に1990年に撮影された「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」は、地球を太陽系の一角から映した象徴的な写真として有名です。では、なぜ地球は撮影されているのに太陽そのものの画像は存在しないのでしょうか?

ボイジャーが撮影した「ペイル・ブルー・ドット」

1990年、ボイジャー1号は約60億km離れた場所から地球を撮影しました。その姿は暗黒の宇宙に浮かぶ小さな点で、人類に宇宙の広大さと地球の儚さを強く印象付けました。この撮影時には、太陽系の複数の惑星も同時に撮影されています。

なぜ太陽を直接撮影しなかったのか

最も大きな理由は「カメラの損傷を避けるため」です。ボイジャーに搭載されたイメージングシステムは高感度であり、太陽を直接捉えると強烈な光で機器が破損する恐れがありました。そのため、太陽を中心に撮影することは避けられたのです。

ただし、地球を含む複数の惑星を写した「太陽系家族写真(Family Portrait)」には、太陽の光線がレンズフレアとして写り込んでいます。この光の筋が、実質的に太陽を示すものといえます。

太陽を撮影する代わりに見える現象

ボイジャーのカメラが太陽の方角を向いた際、光がレンズを通して散乱し、レンズフレアや虹色の光条が写りました。これが直接の太陽画像ではないものの、太陽の存在を間接的に表す形になっています。

つまり、「太陽を正面から撮影した写真」は存在しませんが、その強烈な光の影響は写真に残されているのです。

他の探査機と太陽撮影

太陽を直接撮影する役割は、ボイジャーではなく太陽観測専用の探査機に委ねられています。例えば、NASAの「SOHO」や「パーカー・ソーラー・プローブ」などが太陽の詳細な姿を捉えています。これらの探査機は特殊なフィルターや耐熱システムを備え、太陽の表面やコロナを安全に観測できます。

まとめ

ボイジャー探査機には地球を映した「ペイル・ブルー・ドット」の写真が残されていますが、太陽を直接撮影した画像は存在しません。これは機器の保護のためであり、代わりに太陽の光がレンズフレアとして写り込んでいます。太陽そのものの観測は、別の専用探査機によって行われています。
つまり、ボイジャーが残したものは「地球と太陽系の一部を遠くから眺めた人類史上初の視点」であり、それ自体が大きな科学的・哲学的意義を持っているのです。

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